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2011年10月28日

従業員の退職  退職後の秘密保持義務

労働者は、労働契約の存続中は、その付随的義務の一種として、使用者の営業上の秘密を保持すべき義務を負っています。ほとんどの企業では、就業規則に営業秘密の保持義務を謳っていると思います。

 

労働関係の終了後にも営業秘密の保持義務を負わせようとすれば、就業規則の具体的な規定や個別的な特約(退職時や解雇時でも良いです)が必要になります。但し、そのような規定や約定に必要性があり、内容も合理的なものでなければなりません。

 

このような明示の約定が無いまま退職、解雇した従業員に、秘密保持義務を追求できるか否かは、信義則上の義務として秘密保持義務が存続しうるという見解と、労働関係の終了とともに付随義務である秘密保持義務も終了するという見解に、分かれています。

 

「秘密」が、不正競争防止法にいう「営業秘密」に該当する場合は、同法による救済があります。

不正競争防止法 第2条6項

「この法律において「営業秘密」とは、秘密として管理されている生産方法、販売方法、その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいう。」

顧客名簿もこの要件を満たせば、営業秘密になりえます。

「営業秘密を保有する事業者から営業秘密を示された場合において、不正の利益を得る目的で、又はその保有者に損害を与える目的で、その営業秘密を使用し、開示する行為」   (第2条1項7号)

「窃取、詐欺、強迫その他の不正手段により営業秘密を取得する行為又は不正取得行為により取得した営業秘密を使用し、若しくは開示する行為」                    (第2条1項4号)

などが「不正競争」(第2条)とされ、差止請求権(3条)、損害賠償(4条)、信用回復の措置(14条)を求めることができ、罰則(21条)もあります。

 

従業員の退職後も秘密を保持させる必要がある業種の場合は、就業規則に具体的に規定しておかれたほうがよいでしょう。


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