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2011年11月28日

代金の支払期限・・・手形なら120日ってヘン!?

金属加工を請け負う顧問先から、半年ほど前に、基本契約書の作成を頼まれました。

 使いやすいものと思い、よくある契約書の条項の体裁をやめ、アンケートのような表の体裁にして、タイトルも「取引条件確認書」にして、支払日、支払方法など基本的な必要項目をアンケートのように記入する方式にしてみました。

行動力のある社長さんなので、すぐに新規取引先から使ってみたそうです。

半年経って、意外に効果があったのは、支払期限や支払条件だそうです。

こちらの希望をあらかじめ「原則、現金払い」とか「(支払日は)締日から1か月以内」のように書いておいたところ、ほとんどのところはそのとおりに同意してくれ、資金繰りの改善に役立っているそうです。

 

下請代金支払遅延等防止法(下請法)では、親事業者の下請事業者に対する下請代金の支払期日を「給付を受領した日から60日以内」と定めています(同法2条の2)。

「親事業者」「下請事業者」には資本金額等の要件がありますので、すべての取引に適用があるわけではありませんが、支払期限についてのひとつの目安になります。ちなみに、下請法の適用がある場合、締日後40日後の支払いは同法違反になります。

 

ここで、60日以内に支払うのは手形でも良いとされています。

但し、「一般の金融機関による割引を受けることが困難であると認められる手形」の交付は禁止されています(同法4条2項2号)。具体的に割引困難な手形とは、繊維業90日、その他の業種120日とされています。

 

「親事業者」なので支払能力に問題はない、割引できるから現金支払いと同様、ということなのでしょうが、支払う側にとっては、60日+120日=180日およそ半年の支払猶予を得るのと同じになります。割引といっても、利息分は結局、下請事業者側が負担することになります。

現金なら60日、手形なら180日、とは、何か釈然としません。下請事業者側から文句は出ないのでしょうか?

公正取引委員会(下請法を所管しています)や中小企業庁に直接、問い合わせてみたところ、「手形120日以内」は昭和41年の通知によるもので、もっと長いサイトが常態化していたものをようやく「120日」にしたのだそうです。

同通知では「さらに経済情勢の好転に即応しつつ短縮するよう努力することとする」と書かれていますが、対応した担当者によれば、この通知以降、より短縮を求める要請などは一切ありません、とのことでした。

我が国の下請事業者さんたちは我慢しているんでしょうね。

中小企業庁や公正取引委員会も、中小企業憲章の精神を実践するなら、自分たちのほうから「下請事業者の声を聴きに行く」さらには「掘り起こしに行く」くらいしてもよいのではないでしょうか。


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