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2011年12月28日

来年夏、エネルギー制度は変わり始めるかも!

今年、環境法で一番うれしいニュースは、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」の成立です。来年7月から施行されます。福島原発事故が起こる3月11日の午前中に閣議決定され、管首相の退陣と引き換えに成立しました。

 ドイツをはじめEU先進国では、自然エネルギーの普及に全量固定価格買い取り制度(フィード・イン・タリフ、FIT)が大きな力となりました。その日本版を目指す法律です。

 

買い取り対象の再生可能エネルギーは5つ、太陽光、風力、中小水力、地熱、バイオマス、です。経済産業大臣の認定を受けた設備と方法で発電された電力を関西電力などの一般電気事業者に、決められた価格で一定の期間、買い取ってもらえます。買い取りの価格と期間は、経済産業大臣が、国会の同意を得た委員5名による調達価格等算定委員会の意見に基づき、関係大臣と協議のうえ、決定します。但し、施行後3年間は、発電事業者に利益が出るように特に配慮することになっています。

 

2003年、ドイツで固定価格買い取り制度が本格的に動き始めた頃に視察に行きました。目についたのは、農家が協同して畑に建てた風車の林立でした。ドイツでも家族経営の零細農家が農業専業収入だけでやっていくのは難しいのだそうです。

ドイツはその後、大手電力事業者による自由化の巻き返しがあったり、社会経済情勢が困難な時期もあったりしながら、着実に自然エネルギーの比率を伸ばし、福島原発事故後にはいち早く、脱原発を決意しました。人々は、携帯電話会社を選ぶように電力会社を選べるそうです。

 

昨日27日、政府は電力制度の抜本的改革のための論点整理をまとめました。発送電分離や家庭向け自由化が含まれています。来年夏に策定予定の新しいエネルギー政策に反映させるそうです。

東京電力に関する経営・財務調査委員会の報告書によると、販売量では規制部門4割/自由化部門6割であるのに、利益では規制9割/自由化1割、だそうです。一般家庭や普通の中小企業は割高な電気を買わされているわけです。とっても不公平ですし、電気事業法の趣旨にも反しています。

 

来年夏、日本の電力制度は大きな転機を迎えることになりそうです。

再生可能エネルギー電気買い取り制度の価格や期間が、自然エネルギー産業の育成につながるよう、また、電力制度の抜本的改革が骨抜きや尻すぼみにならないよう、ちゃんと見守っていきたいですね。


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