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2012年6月27日

「良い契約書」とは?     (1)  

我が国の民商法では、契約書の作成は、契約成立の要件ではありません。

 契約は、XさんがYさんに「A土地を1000万円で売ります」と申し込み、Yさんが「A土地を1000万円で買います」と承諾すれば、成立します。相対立する意思表示が、内容において客観的に合致し、当事者が互いに相手の意思表示を認識したうえでその内容を実現させようとする意思が主観的に合致していれば、成立します。

「口約束」だから違反しても良い、というわけではありません。

 

ただ、実際には、裁判になると、第三者である裁判官が、後から、約束の有無を判断するわけですから、契約書の「証拠」としての威力は絶大!です。

またそれ故に、契約書には「紛争抑止力」、すなわち契約書を作っておくと違反されにくくなる効果、もあります。

また、契約書で内容を確認することで、「・・だと思ってた」などの思い込みや勘違いを是正する効果もあります。

 

最近は、契約書の作成を依頼されることが増えました。先方が外資系の場合や、新規の取引先、特に重要な取引契約の場合は、契約書を作成することをおススメします。従来からの取引先でも、結果オーライで来ていることもありますから、今後の紛争予防や条件改善のためにも、契約書の作成が役立ちます。

 

市販されている契約書のひな型や書式、大手取引先などからもらった契約書、などを利用するのも良いです。ただ、実情に合わなかったり、使いにくい場合には、専門家に依頼して作成してもらいましょう。

契約書は、万一紛争が生じた場合に役立たなければ意味がありませんので、弁護士に依頼されることをおススメします。

 

良い契約書とは、万一の紛争を予防、解決するのに必要十分なことが盛り込まれていながら、コンパクトで日常的に使いやすいものだと思います。典型例のひな型だけに頼っていると、必要な条項を落としたり、余分な条項に分量をとられたりします。「万一の場合」をいろいろ考えすぎて、あれもこれも盛り込もうとすると、長くて重くて使いにくい契約書になってしまいます。

 

良い契約書を作るには、先ず、「誰(または、どのような)」を対象に、「何の目的で」あるいは「どのような紛争を予防するために」作成するのか、を明確にする必要があります。これが曖昧だと、契約の内容がボケてしまったり、不要な条項が並ぶ冗長な契約書になってしまいます。

特に紛争は予想できないけど、取引条件を明確にしたい、というのも立派な目的です。その場合は、万一の場合のための条項は必要最小限にして、シンプルで使いやすい契約書にするのが良いです。

過去に自社で困ったこと、同業者で起こった紛争事例、などの情報収集をしておくことも、良い契約書の作成に必要な作業です。

 

最後に、相手方当事者との力関係の見極め、設定も、契約書の作成には重要なポイントです。

ただ、この、契約書と力関係、のお話は、ちょっと長くなりそうなので、詳しくはまた、次回にお話します。

・・・続く・・・


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