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2012年7月27日

債権管理に商業登記簿を利用してみては?  (2)

前回に引き続き、商業登記簿の見方のお話です。 今回は、「目的」欄と「役員」欄です。

 

「目的」

「目的」欄は意外に重要です。

というのも、民法34条は「法人は・・目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う」として、およそ「法人」は「目的」の範囲でのみ権利能力を有するとしているからです。

もっとも、会社は営利法人で、利益を求めて事業範囲を拡大していく本性があります。目的の範囲を厳格に適用して、目的外の取引は無効、なんてなると、相手方は安心して取引ができません。そこで、最高裁は、「目的遂行に必要な行為」を広く解釈して、会社については、取引の安全を優先しています。

「目的」欄にあれもこれも書いてあるような会社、特に、脈絡の無い事業をたくさん書き連ねているような会社は、要注意とみてよいでしょう。本業が定まらない、よく判らないことの現れです。

本業だけがシンプルに書いてあるのは、見た目に淋しいかもしれませんが、実は、会社としてはカッコイイのです。

古い会社は、長い歴史のうちに、事業の拡大や縮小をしてきていますから、目的欄の記載が多いのが普通です。ただ、順にみていくと、そこには脈絡があり、その会社の歴史的変遷が窺い知れるものです。

 

「資本金の額」

「資本金の額」欄は、取引先管理にはあまり役に立たないと考えてよいでしょう。

本来の「資本金」の趣旨は、会社の不動の資産として、有限責任会社における債権者の引き当て財産、なのですが、実際には、会社法の施行以前から、設立後もずうーっと資本金額の現金を引当資金として保持しているような会社はありません。

ただ、資本金額はいろんな法律で会社の規模の目安にされていますから、その会社の実際の規模に見合った額にしてあるのが良いと思います。

 

「役員に関する事項」

「役員」欄を見ると、その会社の同族度が判ります。

会社法施行前からの株式会社は、「取締役会設置会社」「監査役設置会社」として、取締役3人以上と監査役、の4名以上の役員が必要です。小さな同族会社で4名の役員をそろえるのは、実は、けっこう大変ですよね。経営に関与していない同族を役員に並べておくよりは、他人の幹部を役員にするほうが、会社の在り方としては、現代的といえます。

役員の交代、特に、代表取締役の交代は、注意を払うべきです。

役員の親族関係や交代の理由は、直截に尋ねてみるのが良いと思います。

 

セミナーしました。

前回ブログ冒頭のご相談を受けた会社で、先日、幹部社員さんも交えて、「取引先管理に商業登記簿を活用するー商業登記簿の見方ー」と題して、1時間半程度のセミナーをさせてもらいました。

取引先から経営状態の良いところや不幸にも倒産したところなど数社をピックアップしてもらい、その実際の商業登記簿を見ながら、どんなことが窺えるかをお話ししました。

具体的でわかりやすかった、と、とても好評で、私自身も勉強になりました。

こういうセミナーのご希望があれば、ぜひ、お声かけくださいね。


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