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2012年11月26日

債権管理:取引限度額を設定していますか?

あまり考えたくないことですが、もし、ある取引先が突然、倒産したら、あなたの会社は大丈夫ですか?

 来年3月の円滑化法期限切れもありますが、日頃から、売掛債権のリスク管理は必要です。

法律の教科書的には、何か担保を取っておく、とか、代表者に連帯保証人になってもらう、とか、ありますが、中小企業同士の日常的な取引では、どちらも現実的とはいえません。

 

私は、取引先ごとに、これ以上取りはぐれたらわが社は危ない、という「取引限度額」を設定しておくことをお勧めしています。

 

あるお客様から取引基本契約書の作成を頼まれました。その会社は、リスク分散のために取引先を多数にしています。そのほとんどは、中小企業です。

社長さまと相談して、取引先ごとに「取引限度額」を設定することを御提案し、それを基本契約書に明記することにしました。未払売掛金(期限が過ぎているものも過ぎていないものも)の累積合計が、一定の金額以上になった場合には、その後は、現金での引換え決済(普通の買い物みたいに代金と品物を交換する)でお願いします、というものです。

この金額は、それぞれの取引先ごとに、相手の会社の規模や資力、以前からの取引実績、などをみて決めます。「もしこの会社が倒産して、売掛金全額を取りはぐれたとしても、当社が持ちこたえられる金額」ということです。

リスク管理として「最悪の事態」を想定しておくわけです。

 

先日、この社長さまからお電話があって、この、基本契約書に取引限度額を明記しておいたことで、思わぬ副次効果があったと教えていただきました。

それは、数社の新規取引先を獲得できた際、挨拶がてら、基本契約書を持って取引条件のお願いや確認をしたところ、「取引限度額」が明記されていることで、初対面でも、取引量について先方の心積もりを聞き出すことができ、取引開始後の予測ができたそうです。もちろん、累積売掛額が取引限度額を超えた場合の現金決済にも、快く合意していただけたそうです。

 

「最悪の事態」を考えることは、何か後ろ向きのように思いがちですが、「最悪の事態」を考えて備えておくことは、実は、とても前向きのことなんだと教えてもらいました。


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