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2012年6月2日

自然エネルギーに経済再生も賭けるスペイン

スペインは、面積約51万Km2(日本の約1.3倍)、人口約4700万人、イベリア半島の大部分を占める、島国といってもよい国です。故に、エネルギー源の80%を外国に頼る状況から脱し、EUの掲げるCO2削減目標をいち早く達成し、さらに、自然エネルギー技術やエネルギー効率化技術で国際競争力を強化するために、国策として自然エネルギー化を進めています。

 特に力を入れているのは、国土の南東側で豊かな、風力、太陽光、そして小水力です。2000年頃から始めた取り組みにより、風力発電の設備容量は2010年までに10倍になり、現在、世界4位、欧州2位、太陽光については、特に集光型太陽熱発電(CSP)に力を入れ、現在、世界一を誇っています。2011年までに、自然エネルギーの第1次エネルギー消費に占める割合は約11%、電力消費に占める割合は約33%に伸ばしてきています。

 

今回、調査先にスペインを選んだ理由は、気象条件に左右され、変動が大きくて扱いにくいといわれる風力や太陽光を、ラテン系気質のスペインがどのように使いこなしているのか、知りたかったからです。

その秘訣は、スペインが誇る「再生可能エネルギー中央制御センター(Control Centre for Renewable Energies:CECRE)」にありました。

スペインは世界に先駆けて、国の電力供給システムのうち、送電系統運用部門を切り離し、1985年、送電系統運用を行う会社「Red Electrica de Espana:REE」を設立しました。

REEは、株式の80%が上場されている民間会社で、残り20%は国の株式保有機関に所有されています。電力会社は3%以上の株式保有を禁じられており、株主からの独立が保障されています。

再生可能エネルギー中央制御センターCECREは、REE社が2006年に設置したもので、同社の心臓部あるいは頭脳ともいえるものです。

中央の壁一面の巨大なモニターに、国内の主だった発電所(エネルギー源別に色分け)と送電網の状況がリアルタイムで映し出されていました。その左右には、実績発電量と出力予測や需要予測を示す折れ線グラフ、風力や太陽光の発電状況を示す地図、リアルタイムのCO2排出量の折れ線グラフ、再生可能エネルギー割合を示す円グラフ、などが並び、国内の発電状況と予測が一目でわかるようになっていました。これを24時間3交替制で監視、制御しているのだそうです。

これらのグラフの主なものは、REE社のHPで公開され、いつでもだれでも知ることができるようになっていました。

 

スペインの特徴は、国と大企業が協力して、「国策」として再生可能エネルギーを推進し、新しい産業分野として国内経済の活性化を図るとともに、欧州の他国や世界に先駆けて技術経験を積むことで、国際競争における生き残りを賭けていました。

最近の日本国内では、スペインの経済悪化ばかりが報道されていますが、国と産業界が決断さえすれば、自然エネルギーへの転換が可能、ということは、日本の政治家や大企業にも学んでほしいと思います。


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