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2013年11月4日

会社経営にも情報公開

先日、大阪市主催の市民向けセミナーで、私が新人の頃から10年以上がんばった大阪市食糧費情報公開の裁判を題材に講演しました。市の担当の方が当時の新聞をたくさん探してくださって、とてもなつかしかったです。

 講演では、この裁判を通じて、大阪市の情報公開制度が全国最下位から全国トップクラスまで進んだこと、食糧費の支出(もちろん税金です)が、1987年の約7億円から、2001年には約7500万円まで削減されたこと、情報公開制度は行政を「あたりまえ」にする大きな力があって、行政と市民の信頼の基盤、民主主義の基礎を支える制度であること、をお話ししました。

 

情報公開の力と大切さは、行政に限らず、およそあらゆる人間関係、組織、に共通すると思います。夫婦や家族、会社でも、情報や知識が共有されなければ、建設的な話し合いができず、信頼関係も生まれません。

 

弁護士をしていると、紛争の半分くらいはコミュニケーション不足が原因で起こっているように感じます。誤解や疑心暗鬼、話し合いの不足、です。

そして、コミュニケーション不足の原因は、情報や知識が共有されていないことがほとんどです。

ですから、紛争を解決、予防するには、情報や知識を共有することから始めるのが有効です。

 

これは会社経営にも応用できると思います。

「社員さんとコミュニケーションとれてますか?」と聞かれると、飲みにケーションや社員さんのプライベートを聞き出すこと、と誤解されている経営者の方がいらっしゃいます。

コミュニケーションの基本は、情報や知識の共有です。経理の公開や社員教育が会社経営に有用なのは、それが全社的な経営をするために必要な情報と知識を、経営者と従業員が共有できるようになるからなのです。

もちろん、すべての情報を公開する必要もありませんし、公開すべきでない情報もあります。

行政の情報公開制度にも、公開を原則としながら、非公開事由というものがあります。

意思形成過程の情報、事業執行のための情報(強制執行や試験問題など)、個人のプライバシーや法人の営業秘密、です。国の場合には、外交や防衛の情報もあります。

これら非公開事由の考え方は、会社で社員さんに公開すべきでない情報を考える際にも役立つと思います。

 

情報公開と信頼関係は、ニワトリと卵のような関係があります。相手を信頼していないと情報公開する気にならないですし、情報公開しなければ信頼関係もできません。

行政の場合は、世論や外圧、法律や裁判で情報公開が進みました。

会社の場合、特に中小企業の場合は、社長さんの決断ひとつ、というところもありますね。


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