人も自然も輝く未来に

ブログ

2013年12月23日

「経営者保証に関するガイドライン」が公表されています。

民法改正の「中間試案」では、個人保証の原則禁止から除かれてしまった「経営者個人保証」ですが、今月5日、日本商工会議所と全国銀行協会が共同で設置した「経営者保証に関するガイドライン研究会」が、「経営者保証に関するガイドライン」を策定、公表しました。

 適用は、来年2月1日からです。ガイドラインの内容は、全国銀行協会のホームページや日本商工会議所の速報で公開されています。

日商速報ポイント http://www.jcci.or.jp/chusho/kinyu/guideline-point.pdf

全銀協 ガイドライン http://www.zenginkyo.or.jp/news/2013/12/05140000.html

 

 

適用対象は、中小企業の経営者個人保証で、会社の財務状況について適時適切に開示していること、反社会的勢力でないこと、です。

ガイドラインの基本姿勢は、経営者保証に依存しない融資の一層の促進、です。

会社と経営者に対しては、以下の対応が求められています。

1 法人と経営者との関係の明確な区分・分離

2 財務基盤の強化

3 財務状況の正確な把握、適時適切な情報開示等による経営の透明性確保

金融機関側に対しても、次のような要件の維持が見込まれる会社には、できるだけ経営者個人保証を求めないようにする対応が求められています。

イ) 法人と経営者個人の資産・経理が明確に分離されている

ロ) 法人と経営者の間の資金のやり取りが、社会通念上適切な範囲を超えない

ハ) 法人のみの資産・収益力で借入返済が可能と判断しうる

ニ) 法人から適時適切に財務情報等が提供されている

ホ) 経営者等から十分な物的担保の提供がある

 

適用される場面は、1)契約時 2)既存の見直し 3)債務整理時 です。

1)契約時

上記イ)からホ)の要件維持の見込みがある場合には、経営者保証なしで融資を受けられる可能性が広がりました。

止むを得ず経営者保証を必要とする場合も、金融機関は、1)会社や保証人(経営者)に対して保証契約の必要性等に関する丁寧かつ具体的な説明、2)適切な保証金額の設定、をしなければなりません。

2)既存の見直し時

会社が上記123を満たすようになったときには、既存の保証契約の解除を申し入れられ、金融機関はイ)からホ)の要件維持が見込まれる場合には解除を検討し、そうでない場合も、必要性や金額についての再検討、丁寧かつ具体的な説明をしなければなりません。

見直しの大きなポイントは、事業承継時です。

事業承継時は原則的に見直しが前提とされています。会社が上記123を満たし、金融機関から見てもイ)からホ)の要件維持が見込まれる場合は、新経営者に個人保証を当然に引き継がせず、前経営者の保証契約解除も検討しなければなりません。

 

3)債務整理時

会社が早期に決断して法的整理や私的整理をする場合、経営者個人の保証債務の履行請求が限定され、破産手続における自由財産を超えて経営者の手元に資産を残すことや、信用情報に載せないという扱い、が可能となりました。

 

このガイドラインは、全金融機関に対して、事実上、拘束力があります。

後継者への世代交代や新規設備投資の借入を予定されている経営者の方々、一度、取引先金融機関に「見直し」を迫られてみてはいかがでしょうか?


このページのトップへ


Copyright (c) 2011 赤津法律事務所 ALL Rights Reaserved