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2013年9月8日

今また「秘密保全法」案  知る権利やプライバシーが危ない

8月31日の土曜日、大阪弁護士会で 「知る権利が危ない!秘密保全法と憲法改悪の狙い」 シンポジウムがありました。

 80年代、自民党が「スパイ防止法」の名前で、「国家秘密法」を制定しようとしたことを覚えておられる方も多いと思います。

86年の衆参同日選挙と同じく自民党が大勝した今、再び、「秘密保全法」(正式名称は「特定秘密の保護に関する法律」案が、秋の臨時国会に提出されようとしています。

今回の秘密保全法は、80年代の国家秘密法に比べても、国民のプライバシーや知る権利を侵害する危険が大きい内容となっています。

 

<危険その1>・・秘密の範囲が広くて国民の日常生活にも関わること

秘密(法案では「特定秘密」と呼んでいます)の範囲は、防衛、外交、だけでなく、安全脅威活動の防止に関する事項、テロ活動防止に関する事項、にも広がっています。

9.11の後、「テロ活動防止」名目で、橋梁や発電所など公共施設の構造などの事実も隠されがちだったことを思うと、私たちの日常生活の安全に関わる重要な情報も非公開にされてしまいます。

 

<危険その2>・・秘密の指定は、もっぱら行政機関の長が決められること

最高裁は、国家公務員法100条の守秘義務の対象となる秘密について「単に形式的に秘密の扱いを指定しただけでは足りず、非公知の事実であって、実質的にもそれを秘密として保護するに値すると認められるものをいう」(昭和52年12月19日)として、実質主義をとっています。

しかし、国家公務員法100条の文言には秘密指定行為が明確でないのに対し、今回の法案では明確に、秘密指定を要件として規定しています。ですから、最高裁がこの秘密保全法についても実質主義を貫いてくれるかは、とっても疑問です。(ただでさえ、政治問題には腰が引けてる最高裁ですから)。

指定された「特定秘密」が本当に秘密といえるものかどうか、広すぎないのか、第三者的にチェックする仕組みは用意されていません。

また、秘密指定は更新可能となっており、合衆国が35年で全部公開するような、絶対期限もありません。

 

<危険その3>・・対象義務者には「契約業者」も。「適正評価」でプライバシー調査

特定秘密を取扱う業務を行う者には、「契約業者の役職員」も含まれます。

この特定秘密取扱業務者とされると、「適正評価」として、広範なプライバシー調査がされます。

これは、本人同意を得たうえで、その配偶者も含め、犯罪歴、薬物や精神疾患歴、経済状況まで、広く関係機関に対する調査をするものです。同意を要件としていますが、他方で、適正評価に関する苦情、を予定していますので、かなり広い範囲で立ち入った調査を予定していると思われます。

「契約業者」の範囲も、下請けや孫請けまで含むのか、範囲は不明です。

罰則は、故意の漏えい、のみならず、過失の漏洩、漏えいの相手方など知得者、不正な方法による取得行為、、これらの未遂、も、最高で懲役10年に処せられます。

罰則の程度も、今ある自衛隊法などに比べても、格段に重いものになっています。

 

日経新聞でさえ、9月7日付け社説で、疑問点があまりに多い秘密保護法案、と反対の意見を表明しました。

すでに「共通番号制度法(マイナンバー法)」は成立しています。

アベノミクスに期待し、消費税導入に戦々恐々としている間に、目先のお金より大切な民主主義の基盤(情報公開、プライバシー)が侵食されようとしています。

改憲の動きと合わせ、「戦争ができる社会」への下準備、が今回の「秘密保全法」と言えます。

皆さん、ぜひ、反対の声を上げてください。


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