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2013年9月9日

とうとう出ました、婚外子相続差別違憲決定

9月4日、最高裁大法廷は、民法の法定相続分を定める900条4号の

「子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし、(以下略)」

のうち、ただし書き部分、婚外子(非嫡出子)の相続分差別規定を違憲と判断しました。

かなり以前から予想されていましたが、とうとう出ました。

 

非嫡出子・・司法試験の勉強を始めた頃、旧態然としたこの用語に呆れたものです。

戦後、憲法は個人の尊重を基本とした現代的な内容になりましたが、国民の日常生活を規律する民法は、家族法部分が大改正されただけでした。大改正とはいえ、当時の意識を反映してが、戦前の「家」制度の名残が残っています。

 

欧米諸国では、すでに60年代後半以降、婚外子と嫡出子の差別規定が撤廃されてきました。我が国は半世紀も遅れている、というわけです。

最近はさすがに「非嫡出子」の用語が差別的だとして、「婚外子」の用語を用いるようになりました。

 

90年代頃から、遺産分割審判事件で、この規定の違憲性が問題にされるようになりました。

しかし、平成7年7月5日の最高裁大法廷は「合憲」と判断しました。

その理由は、遺言すれば法定相続分は問題にならない、法律婚を保護する民法の立場を貫けば婚外子の相続分は本来ゼロであるべきところ半分だけ認めてあげた、というものです。

当時すでに、家族のあり方やライフスタイルが多様化し、個人の尊重を基本とする現代的な家族法解釈が期待されていました。世間を思いっきりガッカリさせた最高裁決定でした。

 

今回の判例変更の一番大きな理由は 「婚姻や家族の形態が著しく多様化し、国民意識の多様化が大きく進んでいる」という認識と、「父母が婚姻関係になかったという、子自らが選択や修正する余地のない事柄を理由に不利益を及ぼすことは許されず、子を個人として尊重し、その権利を保障すべき」という個人の尊重を優先する考え方です。

きわめて真っ当な判断で、ちょっと最高裁を見直しました。

早ければ秋の臨時国会に民法改正案が提出されるそうです。


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