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2013年7月31日

買おう、使おう、国産木材! 日本の森は「今でしょ!」

先週土曜日、弁護士会の公害環境委員会の夏期研修会で、「日本の森林の未来に向けて 森林の管理と保全」と題して、森林問題を勉強しました。

 20年ほど前にも森林問題を採りあげたことがありました。そのときは、森林の生態系や環境保全の視点が主で、林業には懐疑的あるいは冷やかな感じでした。しかし最近は、適正な林業施業が健全な森林生態系の保全に資する、という立場です。

 

農水省は平成21年、「10年後の木材自給率50%以上」を目標に掲げた「森林・林業再生プラン コンクリート社会から木の社会へ」を策定しました。講師は、この策定に関わられた梶山恵司(かじやまひさし)氏(富士通総研上席主任研究員)でした。とても勉強になりました。

 

先ず、森林の歴史

日本は昔から森の国、というイメージでいました。しかし、高度経済成長期以前の日本は、むしろ、過剰利用(建材や薪炭)のために、禿山だらけだったそうです。これは、浮世絵や戦前の写真からも明らかです。

 

次に、現状

高度経済成長とともに採られた「拡大造林」政策。

これも、我が国の本来の植生に合わない杉やヒノキを乱稙、という認識でした。今見る山や森は、どこへ行っても「モヤシ林」ばかり。ひょろひょろで節だらけの木に木材価値があるように思えません。

しかし、その功罪はともかく、「拡大造林」によって植えまくったおかげで、今や日本は、森林面積2500万ha、森林蓄積60億m3、の木材資源を有することになったのだそうです。これは年間5000万m3の木材生産が可能(かつ必要)で、国内の木材需要に十分に対応できる量だそうです。

但し、現状の「モヤシ林」のままではダメです。間伐や枝打ち、下草刈りなどの手入れをしないままでは、価値ある木材にはなりません。

そして、その手入れをすべき時期こそ、まさに、「今でしょ!」なのだそうです。

 

そして、林業の問題

林業は、農業と同じくらい、昔から在る産業ですよね。農業に関しては、「近代化」や「現代化」が言われますが、林業については、聞かないですよね。昔も今も、林業といえば、一本一本チェンソーで伐るしかないんでしょうか?

ドイツ、オーストリアや北欧など林業先進国はすでに、路網整備と機械化によって、「林業の現代化」に成功し、重要な基幹産業としています。急な斜面でも、ジグザグ型の路網を整備し、360度回転する運転キャビンからグラップル操作ができるトラクターで集荷すれば、安全で効率的な作業が可能です。

日本でも国産で林業機械を作る技術はあります。どうしてできないか、梶山さんによれば、産業構造の違い、なのだそうです。ドイツは、独立の中小の部品メーカーがそれぞれ独自の技術を持っていて、それらが組み合わされば、新しい機械に対応できます。しかし、日本の中小部品メーカーは長らく系列の中で生きてきたので、そういう組み合わせができにくいのだそうです。技術はあるのに、残念です。

 

最後はやはり、私たちが国産材を買うこと、使うこと、だそうです。

先日、林業会社の社長さんとお話しする機会がありました。私が「でも、国産材は高くて手が出ませんよね」と言ったら、「みなさんそう言われるんですけど、大きな誤解ですよ」と言われました。

実際、国産材価格は、10年前の10分の1にまで下がっています。1m3(直径約20cmの丸太1本)のスギ材が1万円足らずまで暴落しています。数十年かけて育ててこれでは、涙が出ますよね。

でも、消費者には、そんな実感がありません。

その理由は、ムク材で建材として安定供給できる状態になっていないこと、や、建材でも床材や窓枠、内装材や外構材、家具、など、多様な木材需要が作られていないこと、なのだそうです。

昨年、ドイツの国会議事堂に行きました。壁や床は板張りで、日本の国会議事堂とは違う、やわらかで開放的な印象を受けました。日本でも、今、公共建物を木造にする取り組みが始まっているそうです。

ウチのビルの路面テナントも、飛騨の家具のお店です(でも、やはり、ちょっとお高い・・)。今からお家を建てるのは無理だけど、国産材のステキな家具なら買いたいなぁ。


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