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2014年2月2日

クラスアクション

「クラスアクション」ってご存知ですか?

 日本語では「集団訴訟」と訳されますが、米国のクラスアクションはとてもユニークで強力な訴訟制度です。米国で、環境法ではトップクラスのルイスアンドクラーク大学(オレゴン州ポートランド)ロースクールのロバート・クロノフ学長の話を聞く機会がありました。クロノフ氏は、クラスアクションを専門とする弁護士で、メキシコ湾原油流出事件(ブリテッィシュペトロリアム(BP)社)で、裁判所選任の専門家も務められたそうです。

 

 米国のクラスアクションの特徴は、訴訟原告の類型に属する人には、実際にその裁判に何も関わっていなくても、裁判の判決や和解の効力(法律用語で「既判力(きはんりょく)」といいます)が及んでしまうことです。裁判の効力を受けたくない人は、「オプトアウト(opu-out)」という手続きを取らなければ、その効力を免れることはできません。クラスアクションが提起されると、然るべき時期に、「裁判所が合理的と思うありとあらゆる方法で」すなわち新聞やテレビなどを使って、訴訟原告の類型にあたる人たちが、クラスアクションを知ることができるよう、宣伝がされるそうです。

 これは実は、被告(大企業)にとってもメリットがあります。同じような裁判が、違う原告から、後から後から起こされるリスクをシャットアウトできるからです。メキシコ湾事件のBP社の場合、このメリットを重視して、基本的な全損害の賠償を約束したそうです。

 

 日本でも、昨年12月に消費者被害を対象とした、日本版クラスアクション法が成立しました。

 正式には「消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律」という名称で、消費者裁判特例法などと略されています。

http://www.caa.go.jp/planning/pdf/130419-0_131213.pdf

http://www.caa.go.jp/planning/index14.html

 この制度では、米国と違い、被害者が賠償を受けるには、裁判所に対する債権の届け出が必要です。

 

 米国でも、クラスアクションの多くは、証券被害などの消費者被害で、環境被害は「others」に分類されています。

 クロノフ氏は、福島原発事故による被害にクラスアクションの利用を提案したい、ということでした。

 確かに、クラスアクションには社会的紛争を規律的に解決する機能があります。

 ただ、日本の場合は、四大公害裁判を経験して、公害健康被害補償法という立法によって、公害被害の救済に対応しました。

 司法的にしろ、立法的にしろ、福島原発事故にによる被害の補償、特に今後に顕在化してくるであろう放射能による健康被害に対しては、迅速かつ十分な被害補償がされるべきだと思います。


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