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2014年6月10日

電力システム改革、始まります。

先日、電力システム改革論の第一人者、高橋洋氏に講演していただきました。

 私なりに理解したところを報告しますね。

民主党政権から自民党安倍政権に交代して、残念ながら「脱原発」は引き継がれなかったものの、「電力システム改革」はしっかり引き継がれました。

電力システム改革の二本柱は、「発送電分離」と「小売全面自由化」です。

小売の全面由化の電気事業法の改正は、6月11日に成立しました。電力システム改革のための電気事業法改正は、すでに昨年から始まっており、今年がその第2弾である全面自由化、来年は第3弾の発送電分離で、持株会社方式による法的分離が予定されています。

EUや米国では、1990年代から電力自由化が進められています。我が国が電力システム改革に踏み切った契機は、東北大震災でした。経済発展のためには金科玉条とされてきた「安定供給」、それを完璧に支えているのは「発送電一貫」と「地域独占」であると説明されてきました。しかし、東北大震災後の計画停電、原発停止による地域的電力逼迫、によって現システムの限界と弱点が露呈しました。そして、東京電力の震災処理を通じて、電力システムの大改革が始まったのです。

電力小売の全面自由化は2016年から始まります。実はすでに一部(高圧大口)は自由化されているのですが、全面自由化となれば、世の中が一変すると思います。

高橋さんの紹介によれば、ドイツでは電力会社を選べる「価格コム」のようなウェブサイトがあり、価格や電源(再エネや原発の割合など)を比較することが出来るそうです。小売自由化の改革推進力はデマンドレスポンス(DR)によって増幅されます。アメリカでも、アグリゲーターサービスといって、小口消費をまとめて節電分はネガワットとして電力会社に売り、節電した消費者には報奨金を支払ったり、エアコンを15分毎に自動制御する機器を無料で設置してピークカット分に報奨金を支払う、などのサービスがあるそうです。日本でも北九州市のスマートコミュニティ実証実験は有名ですし、マンション高圧一括受電サービスも普及し始めています。

固定価格買取制度が始まって、ようやく日本でも普及し始めた再生可能エネルギーですが、電気の質や系統接続の難しさなど否定的な指摘もあります。しかし、これら再エネの弱点や普及の壁は、発送電分離によって独立公平な送電会社が設立され、地域独占を超えた送電網の広域運用が始まれば、充分に解決できることです。

毎日の新聞記事でも、今、大企業は、エネルギー関連本業、異業種、金融・不動産会社まで、そして自治体も、次々と発電や小売関連事業に参入しています。まさに電力エネルギー事業分野では

戦国時代が始まっているようです。

3年後、5年後には、電気やエネルギーのシステムは大きく様変わりしているでしょうね。消費する側で電気やエネルギー供給会社を選べるようになれば、消費は投票、政府が決める国のエネルギー基本計画や大綱を変えられるかもしれません。


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