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2015年10月6日

個人番号(マイナンバー)はどうしてわかりにくいのか?

今月から個人番号通知カードの送付が始まります。

まだ良く判らないのに不安、という方も多いのではないでしょうか?

 

「良く判らない」と感じる根本的原因は、番号制度が個人情報を保護したいのか利活用したいのか、その軸足が定まらないところにあります。行政内部では利活用促進モードに設計されているのに、それ以外では厳格保護モードに設計されているように見えます。むやみに他人に教えちゃダメ、と言いながら、消費増税のためにはスーパーのレジでも使ってね、って、何だかなぁという気になりますよね。

今、日本の社会は個人情報をめぐって、利活用推進派(ビッグデータの活用)と保護重視派(プライバシー保護)のせめぎ合いが続いています。

改正個人情報保護法も成立しましたが、センシティブ情報(「要配慮個人情報」)の厳格保護や顔認証データなど(「個人識別符号」も含まれる一方で、匿名加工情報について詳細な規定がなされたのは、その表れといえます。

個人番号(マイナンバー)はネット社会が本籍地なので、利活用を前提としていますが、保護重視の世論にも配慮して厳格保護規定も置いた結果、バランスの悪い、釈然としない制度になってしまっていると思います。

 

個人情報保護法ができたのは、情報公開法の少し後だったのですが、個人情報保護法の成立によって、個人氏名が在れば何でもかんでも非公開にする萎縮効果が問題になりました。その混乱は「個人氏名=個人情報」という間違いにあります。法律は、個人情報=個人に関する情報+氏名等の識別符号」という構造になっていて、個人氏名そのものだけで個人情報になるわけではありません。

 

マイナンバー(個人番号)は、いわばネット社会における個人氏名といえます。現実社会における上記の「個人氏名=個人情報」の混乱が、マイナンバー制度でも再燃する可能性があります。

ちなみに、番号法でも、個人番号を含む個人情報を「特定個人情報」として、個人番号そのものとは区別して定義しています。

しかし、実際のところ、例えば、次のようなファイルは、どの範囲でどの部分が特定個人情報になるのでしょうか?

:Aさんに関する様々な資料を綴じたファイルがあって、表紙にはAさんの個人番号だけが書いてあり、ファイル中にはAさんの個人番号が書いてあるページと書いてないページが混在している

今のところ、この「正解」は公的に表明されていないようです。

現実のファイルの実際に即して、判断していくしかなさそうです。

 

で、しばらくは(少なくとも3年くらいかなぁ)混乱が続くと思います。萎縮効果に加担したくはないですが、番号法の厳格処罰規定など見ると、石橋を叩きながら渡るのが安全だと思います。


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