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2015年4月14日

南三陸は杉で輝く

3月27日、中小企業家同友会の地球環境問題交流会で、南三陸へ行ってきました。

南三陸は津波で市街地のほぼ全域が流されてしまいましたが、「南三陸杉」で復興しようとしています。

南三陸杉は、約400年前、伊達政宗がこの地に植林を奨励したことに始まります。年間降水量は全国平均より少ないにもかかわらず、高くまっすぐ伸びる杉の良材が育ちます。分水嶺に囲まれ、海から湧き上がる霧や潮風がミネラルたっぷりの水分を山肌に運ぶこと、台風の通路から外れていること、春の根雪が成長期の水分を補うこと、などが、理由だそうです。

 

案内してくださったのは、江戸時代から250-年続く林業家の佐藤家12代目、佐藤太一さん、と、大正時代から100年以上続く製材所、丸平木材の小野寺社長さん.

 

佐藤家の株式会社佐久は、南三陸に約270haの山林を所有しています。大森崎の先に陸続きで浮かぶ荒島もその所有です。荒島には荒島神社が在り、タブノキ原生林もあります。佐藤家はこの島では林業施業を行わないと決め、島の原生林や生態系をそのままに保全しています。営林している他の所有地では、あえて下草を刈らない施業を試みています。間伐を工夫し、常に樹冠を開いて林内に陽を入れるようにし、下層の植生を豊かにするようにしています。鳥や動物が棲みつくようになったそうです。

 

こうして大切に育まれ、伐りだされた三陸杉を、丸平木材ではその生命力を輝かせるように製材していきます。丸太を材木に整形しても、充分に乾燥させないと、使える材木にはなりません。製材でもっとも重要なのは乾燥です。

天然乾燥には数か月から1年以上かかります。普通の材木は天然乾燥などしていられないので、機械で乾燥させます。早く乾燥させるために、その温度はどんどん上げられ、今では100度以上で乾燥させるのが当たり前になってしまったそうです。

人間の都合で生き物である杉に酷いことをしているのではないか・・・丸平木材の小野寺社長は、生き物が気持ちよく汗をかける温度、45度の低温乾燥に切り替えました。驚いたことに、低温乾燥した材木は、まるでワックスをかけたように艶々と美しいのです。杉が、無理のない温度で水分を放出する過程で、杉自身の精油成分も自然に行きわたるのだそうです。穏やかな乾燥によって、杉が自然に発散する水分と成分に満たされた乾燥機の室内は、とっても良い香りに満たされていました。

 

南三陸は、今まだ、地盤嵩上げ工事の真っ最中で、ダンプカーがひっきりなしに行き交い、砂埃りにまみれています。

でも、嵩上げ完了後の新しい街に、地元の山で育ち、その生命が宿ったままの木材で建てられた店舗が立ち並び、高台の家屋も地元材で新築されたら、とっても素敵な美しい街が生まれると思います。

自然から災いを受けながらも、復興する街を自然の恵みで輝かせようとする努力に、心が熱くなりました。


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