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2016年5月9日

事実分析に「時系列」の威力

自分で言うのもなんですが、裁判は得意だと思ってます。

あるお客様に「赤津さんが作る年表みたいなやつ、あれ、すごいね、あれがいいんじゃない」と言われ、それからは、ほぼすべての裁判で時系列を作って、事案の分析をするようにしています。

 

事件を依頼されると、先ずは、関係する公簿書類の収集から始めます。

不動産登記簿や会社登記簿は、公示目的なので、誰でも法務局で閲覧、謄写、することができます。

住民票や戸籍は、プライバシー情報なので、誰でも閲覧できるわけではありません。一定の資格士業が職務上で請求する場合などに限られます。

 

これら公簿書類からは、かなりの量の、詳細で正確な情報が得られます。閉鎖された古い公簿にまで遡れば、戦後はもちろん、明治期の情報も残されています。

この目に見えないインフラの力こそ、歴史ある文明社会の証明だと思います。

 

これら公簿に記録された情報が、裁判で威力を発揮するのは、その正確さに対する信用力です。

もちろん、事件で問題の争点事実そのものが記録されているわけではありませんが、争点事実を取り巻く状況(訴訟用語で「間接事実」といいます)の立証に、とても役立ちます。

公簿に記録された事実は、裁判では、客観的前提事実、としてほぼ争うことはできません。

 

収集した公簿を丹念に読んで、記載されている事実を、時間の順に時系列で、整理していきます。一見、関係なさそうな事実も、丁寧に拾い上げていきます。

すると、それぞれの公簿にバラバラに記録されていた事実が、時間の流れのの中で、少しづつ意味を帯びて見えてきます。その紛争の背景や当時の状況や行為の意味や動機が、だんだんと浮かび上がってくるのです。

 

依頼人や事件当事者のお話を丁寧に聞くこと(ヒアリング)も、裁判準備でともて大切な作業です。

しかし、人の記憶は、特に時期(年月日)に関しては、極めて曖昧です。

他方、裁判官は、時期(年月日)に拘りがちです。

裁判準備で、ヒアリングした内容だけに頼って事実主張をすると、実際は単なる勘違いに過ぎないことが、悪意をもった虚偽、に受け取られてしまうリスクがあります。

公簿にもとづく時系列と照らし合わせながらヒアリングすれば、そのような勘違いをすぐに是正することができ、さらには、忘れておられた記憶を甦らせることもできます。

 

裁判に限らす、事実を分析するのに、客観的で確かな事実を時系列で整理し、それに照らし合わせながら判断していく手法は、とても役に立つと思います。

 

購入を検討している土地の不動産登記簿や、新規取引先の会社登記簿をご覧になったことはあるでしょうか?

もし、まだ見たことない、という方で、興味を持たれた方は、ぜひ一度、法務局へ足を運んでみてください。新しい発見があると思います。


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