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2016年6月16日

再エネ特措法 改(正?) 

5月25日、再エネ特措法が改定されました。

施行は、来年4月1日です。

 

大きな点は、接続義務と優先給電を規定していた旧第5条がバッサリ削除された点です。

他方で、認定要件に接続契約の締結が新設されました(新第9条2項5号)。

さらに事業用太陽光については、ローカル系統の増強工事負担を含めた入札方式になりました。

 

ドイツで始まったFIT制度は、固定価格と買取期間だけでなく、実はその真骨頂は、接続義務と優先給電に在ります。

再エネ電力が、系統接続や出力抑制(余れば止める)において、他の電力(化石燃料や原発)より優遇されるというポリシーです。ボトムアップのエネルギーシフトを支えた屋台骨こそ、接続義務と優先給電だったのです。

ドイツのFIT制度は、接続義務と優先給電を背骨としながら、再エネ導入のための系統増強については、送配電会社の側に増強義務を課し(ドイツ再エネ法9条)、太陽光発電の買取価格も1000kWまでをきめ細かく決めるなど、市民や小規模事業者が利用しやすいよう、配慮して設計されています。周辺の関連法制度も、例えば、農民風車はエネルギー組合法人が認められているなど、市民や小規模事業者に配慮されています。

 

これに比べ、今回の我が国の改(正?)法は全体に、政府と既存大手電力業界が協働で主導して、その許せる枠内の再エネ普及に止めたい、という意図が透けて見えます。

原子力発電を捨てきれず、目の上のタンコブだった優先給電をかなぐり捨てて、事業用太陽光をスケープゴートに、再エネ全体をコントロール可能な範囲に押し込める感じです。

 

またしてもパターナリズム(父権主義)、と思う以上に、被爆国で福島原発事故まで経験しながら、なお国策として原発を捨てられない真の理由は何なのか、国民が納得できる説明が欲しいです。

 

FITはもともとドイツの市民運動から生まれ、ドイツでは、市民や農民の間の爆発的普及が、エネルギーシフトを国策にまで押し上げました。政府は、その成長段階に併せて、政策や施策を準備する後見的役割にあえて甘んじています。

 

我が国の政界財界のトップリーダーにはどうして、原発の是非も含めて、国民の自発的エネルギーに任せる度量が無いのでしょうか?

結局、国民が指導者から信頼されていない、ということなのでしょう。

 

でもまだ、FIT制度そのものが無くなってしまったわけではありません。

トップダウンで悪く「日本的」にされてしまったFITを、これから地道に粘り強く、良い「日本的」に巻き返していきましょう。

 

 


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