人も自然も輝く未来に

ブログ

2016年7月1日

退職社員との競業避止義務契約

最近は、就業規則に在職中の秘密保持義務や競業禁止義務を入れるだけでなく、退職後にもこれらの義務を課すところが多くなりました。

但し、秘密を「在職中に知りえた一切の情報」とか、競業を「競合他社に転職禁止」など、一般的抽象的な規定は、何でもアリだから安心!というわけではありません。

競業避止義務は、他方で退職者の職業選択の自由に対する制約になるため、禁止対象が広すぎたり不明確だったりする規定は、裁判で、職業選択の自由に対する侵害を理由に、無効と判断されるおそれがあります。

 

 

判例上、競業避止義務契約の有効性を判断する要素は、およそ6つです。

①企業側の利益

②従業員の地位

③地域限定の有無

④期間限定の有無

⑤禁止行為の特定や範囲

⑥代償措置

 

まとめると、営業秘密など企業側に守るべき法的保護に値する利益が認められ、当該対象の退職者が在職中にその利益に関係する業務に就いていたなど義務を課する必要性が認められること、そして、課される義務内容がその利益を守るための合理的必要性ある範囲に限定されていること、を総合的に考慮、判断することになります。

 

ちなみに、営業秘密に関していうと、不正競争防止法で保護される営業秘密は、①秘密管理 ②事業有用性 ③非公知性 の3要件が必要(不正競争防止法2条6項)ですが、競業避止義務契約で有効性が認められる企業の秘密は、これより広く認められています。

 

最後に、就業規則で退職後の競業避止義務も規定している場合、実際の退職時にそれより厳しい競業避止義務を課すことは、労働契約法12条(就業規則違反の労働契約)によって無効となるおそれがあります。

これには、就業規則に予め個別合意優先規定を入れておかれると良いと思います。

 

 

何よりも、退職されることが決まったら、退職者面談をされることをおススメします。

契約書や誓約書も、きちんと説明したうえ、充分に理解、納得していただいたうえで、署名捺印してもらうのが、円満退社の秘訣だと思います。

 

 

 


このページのトップへ


Copyright (c) 2011 赤津法律事務所 ALL Rights Reaserved