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2016年11月11日

裁判管轄(契約書チェックのポイント)

契約書を自社でチェックされているところも多いと思います。

最後のほうに「裁判管轄」あるいは「管轄合意」という条項がありませんか?

「裁判になったときは〇〇裁判所に管轄を合意する」というような条項です。

「ウチは裁判しないから」とか「相手とは裁判にはならないから」と思って、「東京地方裁判所」とか書いてあっても見過ごしていませんか?

裁判管轄って、いざとなると切実で、意外に重要なんです。

 

裁判の「管轄」とは、どこの裁判所で裁判できるか、ということです。

民事訴訟法の第4条以下に規定されていますが、原則は、被告(訴えられる側)の住所地(「普通裁判籍」といいます)の裁判所になります。これは、自分の意思に拠らずいきなり訴えられる被告の利益を守る趣旨です。

 

「管轄合意」は、民事訴訟法の第11条に規定があり、あらかじめ当事者間で「裁判を何処の裁判所でするか」決めておけば、法律が決めた管轄(「法廷管轄」といいます)以外であっても、その裁判所に管轄が認められるというものです。

民事訴訟における当事者主義(私的自治)の表れです。

さらに「専属的」合意管轄、あらかじめ当事者間で「裁判するならこの裁判所しかダメ」と決めた場合は、他の法廷管轄が排除され、その裁判所でしか裁判ができなくなります。

これは、当事者が互いに離れている場合に、一方当事者にだけ有利になり、より強力な側の当事者に濫用される弊害があります。

但し、いずれの場合も、法律が「専属管轄」(特定の裁判所しかダメ)を決めている場合は、認められません。

 

ところで、契約当事者間で紛争になった場合の裁判手段には、訴訟の他にも民事調停があります。 民事調停は、裁判所でする話し合いによる紛争解決手続で、「訴訟」ではありませんが、「裁判」には含まれます。

民事調停の原則的管轄は、簡易裁判所です(民事調停法第3条)。

ただ、実際には、紛争の規模や内容から、地方裁判所で民事調停したい場合も少なくありません。

契約書の合意管轄の条項に「訴訟に至った場合」とか「第1審の」と書かれていた場合に、民事調停の地方裁判所への管轄合意として(民事調停法の第3条)認めてもらえなかった例がありました。

こういう書き方をしている契約書もよく見るので、民事調停の場合も含める書き方に変えたほうが良いですね。

 

契約書の専属的合意管轄は見過ごしやすいので、自社チェックでも注意していただきたいのですが、

やはり、契約書のチェックは、裁判官管轄だけではないので、弁護士にお任せいただくほうが、安全だと思います。

 

 

 

 

 


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