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2017年2月2日

預貯金の遺産分割(最高裁判例が変更されました)

平成28年12月19日、預貯金の遺産分割について、とても重要な最高裁判例が出ました。

以前から、ヘンだな、と思っていた家裁実務もようやくこれで変更されます。

遺産分割の際に、預貯金はとても重要な役割を果たします。

金額に争いが生じにくく、分けやすくて、容易に現金化できるので、各相続人の取得配分を調整するのに、とても役立つのです。

 

ところが、従来の家裁実務では、

1)相続人が複数の共同相続では「相続財産はその共有に属する」(民法898条)

2)預貯金は、預貯金払戻請求権という「可分債権」である。

3)最高裁判例(平成16年4月20日)は、可分債権の当然分割(民法427条)を理由に、相続財産中の可分債権は相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されて各相続人の分割単独債権となる、と判断している。

として、預貯金はすでに当然に分けられているから、相続人全員で合意しない限り、遺産分割の対象とならない、としてきました。

他方で、銀行実務では、相続人全員の合意などが無い限り、被相続人(亡くなった方)名義の預金の解約には、一切応じてもらえませんでした。

世間一般の感覚からもズレてますし、銀行実務とも食い違っていて、とても私の頭になじみませんでした。

 

しかし、この新しい最高裁判例によって、ようやく、このヘンな実務も改善されます。

最高裁が考えを改めた理由は、次のとおりです。

ポイントは、上記2)の、預貯金=可分債権、という考え方を変更しました。

つまり、

普通預金や通常貯金については、単なる預金払戻し請求権だけでなく、普通預金契約や通常貯金契約にもとづく「預貯金契約上の地位」だというわけです。だから、相続人に共有されているのも、契約上の地位が準共有されている、と考えることになりました。

定期預金については、普通預金等に比べて出し入れがないので、もっぱら払戻し請求権ということになるのですが、定期預金は分割払い戻しが制限されていることを重視しました。分割されないことが定期預金契約の要素(重要な部分)なのであるから可分債権とは言えない、という判断です。

 

普通預金や定期預金の実態を、具体的に詳しく、ていねいに解析した、良い最高裁判例だと思います。

 

 

 


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