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2017年5月30日

減価償却は近代会計のメルクマール

会計や会社法の計算書類には、苦手意識がありました。

「覚える」だけではつまらない、どうしてこうなっているのか、何か歴史的に理由があるはず・・とずうっと探していて、良い本を見つけました。

有斐閣アルマ「歴史に触れる 会計学」

慶応義塾大学商学部の友岡賛(すすむ)教授が著者です。

ちなみにこの先生、慶應義塾大学病院生まれ、幼稚舎から大学まで慶應義塾純粋培養の超エリートです。文章も簡潔でウイットもあって、読みやすいです。

 

そもそも「会計」は何のためにあるのか? 自分の商売の金勘定だけなら、規則や形式としての「会計」は要らないはずです。

「会計」とは、財産の管理運用を任された人が、財産の所有者に自分の管理運用の顛末を「説明」するためのもの、というのが、この本の基本的立場です。

アカウンティング(会計:accounting)は、動詞のアカウント(説明:account)から派生した言葉で、金勘定(カウンティング:counting)とは違う、とは、言いえて妙、です。

 

一航海ごとに儲けを分け合う「当座企業」から、永続的に事業を行う「継続企業」の出現によって、『期間』を区切って損益を計算する、さらにそれを定期的にする、『期間損益計算』(いわゆる事業年度)、が必要になりました。

 

産業革命は、手工業生産から、機械による大規模工場生産への展開をもたらし、それが、事業の儲けを生み出すのに必要不可欠な装置(機械や設備)すなわち『固定資産』の増大をもたらしました。

 

そして、この「期間損益計算」における「固定資産」の位置づけを、どのように考え、評価するか。

ここから『減価償却』、すなわち、各期間の損益計算に対応する固定資産の価値喪失を考える、思考が発達、確立したのだそうです。

 

う~ん、なるほど。

会計帳簿の読み方だけを書いたような本では、腑に落ちなかったところが、ようやく、呑み込めました。

 

減価償却は、ともすれば、利益の恣意的操作に利用されますが、そういう弊害は、19世紀の昔も同じだったそうです。

 

ご存知のように、減価償却には、「定率法」と「定額法」があります。中小企業会計要領では、どちらでも良いとされていますが、一貫性は求められています。

 

『減価償却こそ近代会計のメルクマール』ってことは、減価償却をきちんとしているかどうかが、会社の近代性のメルクマール、ってことにもなりますよね。

 

 

 

 

 


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