人も自然も輝く未来に

ブログ

2017年12月26日

改正労働者派遣法3年目

平成27(2015)年9月に労働者派遣法が改正され、来年は期間制限の3年目になります。

 

戦後、我が国の労働法は、労働者供給事業を禁止してきました(職業安定法44条)。強制労働や搾取の温床となりやすいからです。

昭和60(1985)年、コンピューターが普及し、専門能力を有する人材に需要が高まったことなどを背景に、労働者派遣法が制定されました。専門能力を武器にできる労働者なら、強制労働や搾取のおそれは無いと考えられました。他方、労働界側の懸念は、長期雇用慣行の侵食でした。これに配慮して「常用代替防止」を労働者派遣法の基本の考え方としました(同法25条)。

このような事情から、労働者派遣法は長らく「専門26業務」に拘ってきたわけです。

 

2015年改正は「専門26業務」に決別したことで、従来から紆余曲折した改正に終止符を打ち、抜本的に集大成したといえます。法律の名称も改正され、新たに「派遣労働者の保護等」が加わりました。

労働者派遣法の改正の歴史には、1985年から2015年まで、バブル崩壊からリーマンショックを経て現在までの、我が国の経済変動と雇用情勢の変化があります。今や、専門能力を武器に自由な働き方を選べる「派遣労働者」イメージは、幻想に近いものとなりました。

 

2015年改正の趣旨・目的は、派遣労働者の「雇用安定」と「キャリアアップ支援」です。

 

改正のポイントは、次のとおりです。

・労働者派遣事業が許可制に一本化されました。

・派遣期間制限が、「専門26業務」に関わらず、「事業所単位」と「個人単位」でいずれも3年とされました。

事業所単位の期間制限には、過半数労働組合等への意見聴取手続による延長が可能です。

個人単位の期間制限は、組織単位で考えられ、また、派遣元無期雇用者には適用されません。

期間制限が残されたのは「常用代替防止」からです。

・雇用安定とキャリアアップのため、「派遣元」と「派遣先」にそれぞれ、義務、措置、責務、が定められました。

 

派遣労働者を受け入れている「派遣先」企業で、特に注意すべきは、労働契約申込みみなし制度(労働者派遣法40条の6)です。

派遣先が、期間制限違反などの違法派遣を受け入れた場合、その時点で、派遣先が派遣労働者に対して、その派遣労働者の派遣元における労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをしたものとみなされます。

なお、この適用には経過措置として、改正法施行日(2015年9月30日)以前の労働者派遣(個別)契約にもとづく期間の制限違反には旧法が適用(申込み義務のみ)されるとなっています。

ただ、今回の改正の趣旨・目的(雇用安定とキャリアアップ支援)を踏まえれば、派遣元も派遣先もなるべく早く改正法に則って努力してほしいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


このページのトップへ


Copyright (c) 2011 赤津法律事務所 ALL Rights Reaserved