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2018年1月9日

『ギリシア人の物語Ⅰ民主政のはじまり』を読んで中小企業経営を考える

小学生の頃、はじめて買ってもらった「全集」の第1巻が「ギリシア神話」でした。はじめての海外旅行もギリシア。パルテノン神殿の前での記念写真は、笑顔満面で、若い! 古代ギリシアには格別の思い入れがあります。

 

『ローマ人の物語』からしばらくぶりの塩野七生さんが、今、古代ギリシアをテーマにしたのは、副題のとおり、民主政への問題意識からだと思います。

かく言う私も、思い入ればかりで、古代ギリシアの歴史を詳しく知っているわけでもないので、早速、買い込んで、お正月に読みはじめました。

 

第Ⅰ巻で、一番、印象的だったのは、次の叙述です。

「アテネの民主政は、高邁なイデオロギーから生まれたのではない。必要性から生まれた、冷徹な選択の結果である。・・(中略)・・それがイデオロギーに変わった時代、都市国家アテネを待っていたのは衰退でしかなくなる。」

アテネは、スパルタと違い、資産を持たない第3、第4階級にも市民権を与えることで、兵力を増強し、経済的繁栄を謳歌した史実を指しています。

 

これを読んで思い浮かべたのは、中小企業家同友会が理念とする「人を生かす経営」です。この実践に邁進している社長さんが「結局、これ(人を生かす経営)が一番、会社が上手くいく方法なんだと判った。」と言っておられました。

法律家はどうしても、憲法の人権尊重から、頭でっかちに民主主義を考えてしまうのですが、民主政治は現場の必要から生まれた、極めて実際的な政治手法、とは、まさに目からウロコでした。

 

 

御存知のように、ギリシアは、二度にわたって大国ペルシアから侵略を受けながら、マラトン、サラミス、プラタイア、と圧勝し、撃退に成功します。それを評して、塩野七生さんは、

「ペルシア(東方)は「量」で圧倒するやり方で攻め込んできた。それをギリシア(西方)は「質」で迎え撃ったのである。「質」と言ってもそれは、個々人の素質というより、市民全員の持つ資質まで活用しての、総合的な質(クオリティ)を意味する。つまり、集めて活用する能力、と言っても良い。・・(中略)・・この、持てる力すべての活用を重要視する精神がペルシア戦役を機にギリシア人の心に生れ、ギリシア文明が後のヨーロッパの母胎になっていく道程を経て、ヨーロッパ精神を形成する重要な一要素になったのではないだろうか」

つまり、全体的「量」に対して、個々の構成員の個性を生かしながらの組織力で勝負すること、これって中小企業の闘い方にも似てますね。

 

 


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