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2018年5月24日

個人情報保護法の適用 従業員さんの健康診断結果は?

昨年5月30日から、すべての事業者に「個人情報保護法」が適用されています。従来は、取り扱う個人情報の数が5000人分以下の事業者には適用されていませんでした。

今は、法人個人や営利非営利を問わず、小規模零細事業者、個人事業者、NPO法人、マンション管理組合、自治会、同窓会、にも適用されます。

 

「個人情報」とは、生存する個人に関する情報で、特定の個人を識別することができるものです。氏名、住所、生年月日、顔写真、はもちろん、指紋や歩行態様、DNA、免許証番号、旅券番号も含まれることが明記されました。

 

今回の改正で新たなカテゴリーとされたのが「要配慮個人情報」です。

「要配慮個人情報」とは、不当な差別、偏見その他の不利益が生じないように取扱いに配慮を要する情報で、人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪被害の事実、身体障害、知的障害、精神障害等の障害があること、健康診断その他の検査結果、保健指導、診療・調剤情報、本人を被疑者・被告人として、逮捕、捜索等の刑事事件に関する手続が行われたこと、本人を非行少年又はその疑いがある者として、保護処分等の少年の保護事件に関する手続きが行われたこと、がこれにあたります。

 

要配慮個人情報を取得する場合は、利用目的の特定、通知又は公表に加え、あらかじめ本人の同意が必要です(個人情報保護法17条2項本文)。

 

ここで「え?健康診断結果も?」と思われた経営者の方がおられるかもしれません。あなたの個人情報保護センスはなかなかのものです。

 

労働者の健康管理について、事業者は、労働者に対する定期的な一般健康診断、等の義務を負っています(労働安全衛生法66条)

 

要配慮個人情報の取得には、例外があります。

次の場合には、あらかじめ本人の同意を得なくても取得することができます(個人情報保護法17条2項1ないし6号)。

1号:法令に基づく場合

2号:人の生命・身体・財産の保護に必要(本人同意取得が困難)

3号:公衆衛生・児童の健全育成に必要(本人同意取得が困難)

4号:国の機関等の法令の定める事務への協力

(5号以下は省略)

 

個人情報を検索可能な状態にしたデータベース(PC)や簿冊(紙)を「個人情報データベース等」といいますが、これを構成する情報を「個人データ」といいます。

個人データを第三者に提供する場合も、あらかじめ本人同意が必要です(個人情報保護法23条1項本文)。が、これにも例外があり、その例外事由は上記の17条の1号ないし4号と同じです(同法23条1項1ないし4号)

但し、提供にかかる記録を作成保存しなければなりません。

 

というわけで、毎年、医療機関に委託して従業員さんの健康診断を実施しておられると思いますが、それが労働安全衛生法(66条他)に基づく限り、委託に際して従業員個人データを提供することも、医療機関から健康診断結果を取得して保管しておくことも、事前の本人同意は必要ありません。

ただ、取得した健康診断結果を労働安全衛生法の予定する健康管理の目的以外に利用したり、労働安全衛生法の範囲を超えて、従業員の健康状態や病歴に踏み込むことは、個人情報の侵害になりますので、注意してくださいね。

 

最後に、

個人情報保護法の内容や具体的な解釈などは、個人情報保護委員会のホームページに、解りやすいパンフレットや、詳しい内容を解説したガイドライン、「雇用管理分野における個人情報のうち健康情報を取り扱うに当たっての留意事項」、などの資料がまとめられています。

「個人情報保護委員会」で検索すれば、すぐに見つかります。

中小企業サポートページもあります。

「個人情報保護法相談ダイヤル」も開設されています。

参考になさってください。

 

 

 

 

 


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