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2018年6月25日

美しく、カラダとお財布にも優しい、木造プレハブ建築

6月5日、株式会社イケダコーポレーション主催のセミナーを受講しました。講師は、ミュンヘン工科大学建築工学部木造建築学科のヘルマン・カウフマン教授、世界的に有名な木造建築の第一人者です。

講演の冒頭に教授は、世界中から講演依頼が来てほとんど断っているが、日本は最古の美しい木造建築が在る国なので断らなかった、と仰いました。

 

「プレハブ建築」というと、安物、粗悪、のイメージが日本にはあります。「プレハブ」はpre-fabricatedの略、その意味は、予め準備した企画部品を組み立てたもの、です。日本では、戦後の住宅難の解決策として、庶民にも手が届く近代住宅として普及しました。しかし、結果として、質がなおざりにされてしまいました。

カウフマン教授の木造プレハブ建築は、生活者にも手が届く普及価格という理念は同じですが、質には決して妥協しません。日本で「木造建築」というと高価で贅沢なイメージがあります。通常なみの価格で、良質で美しい木造建築を普及させる、それが「木造プレハブ建築」の理念です。

 

ドイツ語圏でも、高気密高断熱の省エネ木造建築は「お高い」イメージがあります。しかし、建築価格(投資コスト)こそ通常より少し高いものの、メンテナンスコストやエネルギーコストも含めたライフサイクルコストで見れば、むしろ、省エネ木造建築は通常建築より「お得」なことが実証されています。さらに、建材の製造過程や廃棄処分における環境負荷も含めれば、「超お得」といえますね。

 

 

このようなライフサイクルコストの効率性は、建築プロジェクトの企画段階から、施主、設計事務所、木造プレハブメーカ―、施工業者、設備専門家、行政はじめ地域関係者まで巻き込んで、入念に準備され、練り上げられることで実現されるのだそうです。

このうち、日本に無いのは「木造プレハブメーカー」ですね。

プレハブメーカーといえば、日本ではS社やD社など大手ハウスメーカーですが、ドイツ語圏では30~50人規模の木造プレハブメーカーが何百社もあるそうです。これら木造プレハブメーカーは、中小企業ながら3DのCNCを駆使し、高い品質を保持しています。カウフマン教授の出身地で現在も事務所を構えるオーストリアのフォーアールベルク州は、CLTメーカーやこうした木造プレハブメーカーの集積地だそうです。

 

こうして入念に設計、準備され、工場で正確、精密に製造された、木造の壁や屋根などのモジュールは、現場では短い日数で組み上げられます。この建築法なら、悪天候を避けながら、未熟練工でも簡単かつ正確に施工でき、建物の品質や性能を確保することができます。

 

セミナーでは、2015年に私も視察で行った発電会社本社や中高等学校も紹介されました。写真で見ても美しい建物ですが、あんなにやさしく気持ちの良い室内空気は、日本では未だ滅多に体験できません。

 

世界が認める美しい最古の木造建築を有するこの国でこそ、私にも買える美しい省エネ木造集合住宅を実現してほしいです。

その鍵は、木造プレハブ中小企業の出現、だと思います。

 

 

 

 


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