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2018年10月2日

職場の規律の維持

 

自社を明るい職場にしたい、とは、経営者なら誰でも考えますよね。

社員さん同士の悪口や陰口、金銭の貸し借りやトラブル、社内不倫、など、社会人としてのモラルや成熟度の問題は、「いまさら大人に向かって注意することでもないしなぁ」って思いますよね。

モラル問題を仕組みや雰囲気づくりで無くせれば、上級経営者なのでしょうが、現実は厳しいこともあります。社内規範として定めることも、ひとつの方法でしょう。

 

会社でれば、業務は組織的に行われるべきです。組織的行動には「秩序」が必要です。最高裁判例も「企業秩序」と使用者権限を認めています。

 

社内不倫禁止や金銭貸借禁止でも、経営者が自社の企業秩序維持に必要(主観的でなく客観的に)と考えれば、職場ルールとして社内に示し、従業員に順守を求めることは可能です。もちろん、ルールの内容は合理的でなければなりません。

 

但し、行為規範「違反」を理由として「懲戒」するには、就業規則の根拠が必要です。

すなわち、就業規則において、規範行為を「服務規律」として明示し、違反行為の内容や程度、と、懲戒の程度や内容、を明示しておく必要があります。いわゆる罪刑法的主義の考え方です。

 

就業規則に新たな「服務規律」を規定するには、「就業規則の不利益変更」となりますので、その手続きが必要です。

従業員の全員と合意できれば、変更はできます(労働契約法第9条)

全員の合意は得られない場合も、「合理性」があって「周知」されれば、合意しない従業員も含めて、変更はでき、効力も及びます(労働契約法第10条)。

この「合理性」とは、『労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なもの』(上記第10条)であることとされています。

つまり、変更の必要性と変更の内容(変更による不利益の程度、変更後の労働条件の相当性)の比較衡量を基本とし、これに労働組合や従業員集団との交渉の経緯や変更の社会的相当性を加味して総合判断することになります。

ただ、倫理的な服務規律は、従業員の私生活干渉や人権侵害になりうる要素もあるので、慎重かつ十分な検討が必要です。

「周知」は、実質的に全従業員が知りうる状態に置けば足りるとされています。

そして、もちろん、就業規則の変更ですから、届出(労基法第89条)と意見聴取(同法第90条)も必要ですよ。

 

「規範化」は、あくまで手段の一つです。

自社を明るい職場にしたい、という経営者の熱意と、社員さんに人間的にも社会人としても成長してほしい、という真摯な思い、が基本だと思います。


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