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2018年12月27日

働き方改革 年休指定義務

今年、中小企業経営に関する法律では2つの大きな改革がありました。働き方改革、と、外国人労働者受入れ、です。

 

働き方改革は、大きく2つです。働き過ぎを防ぐための、労働時間法制の見直し と正規非正規の不合理な待遇格差の解消、です。

 

労働時間法制の見直しの主な内容は、次のように盛りだくさんです。

1)残業時間の上限規制(月45時間原則)

2)勤務間インターバル(休息11時間)

3)年休5日指定義務

4)月60時間越え割増率50%

5)労働時間すべて(裁量労働制、管理監督、含め)把握義務

6)フレックスタイム清算期間3か月

7)高度専門職(年収1075万以上想定)

 

このうち、関心が高いのは、3)の、来年4月から義務化(罰金あり)される「年休5日指定義務」(労基法第39条7項(新設))ではないでしょうか?

 

年次有給休暇は、会社が予め全社的に就業規則で決めている休日(所定休日)とは異なり、労働者に認められた「年休権」です。6か月間継続勤務8割以上出勤の要件(労基法39条1項)を満たせば、「年休権」が発生します。具体的にどの日に休むかは、労働者に時季指定権があります。使用者は、事業の正常な運営を妨げる場合に、時季変更権があります(同条5項)。

 

今回の改革は、これを労使間の自由に任せていては年休消化が進まない現状から、先に使用者側に時季指定(労働者の意見を尊重することが前提です)を強制して、年休消化を進めようというものです。

 

ただ、実際には、毎年の年休権発生後、どのタイミングで時季指定するかが、使用者にとって悩ましいところではないでしょうか?

育児や介護で突発的な取得ニーズが高い労働者もいれば、勝手に取りたいから放っておいてくれ、という労働者もいますよね。そもそも年休制度は計画的取得を前提にしているのですが、そういう建前だけで労働者の個別ニーズを無視するわけにもいきません。

 

従業員の数がそれほど多くなく、個別の対応が可能なら、過去の取得状況を見たうえで、取得が少ない方から優先に、毎年の年休権発生で早めに、本人の希望を聞きながら5日の計画指定をしていくのはどうでしょうか?

従前から自主的に5日以上の年休を取得している方は、期間の後のほうで状況をみながら不足日数だけを指定すれば足ります(同条8項)

 

従業員の数が多くて、年休権の発生時期を画一化したい場合、前倒しに統一することは可能です。労基法は最低基準なので、より労働者に有利な定めは有効です。例えば、入社日から年休を付与することや、入社2年目の付与日を前倒しで4月1日にする場合、などです。これらの場合の指定義務の考え方は、以下のサイトに例示があります。

https://www.mhlw.go.jp/content/000350327.pdf

 

経営者の方には、「休みばっかり増えて、いつ働くんだ?」という思いもあると思います。

ただ、この方向が世界的にもこれからの時代の流れであることは間違いありません。先に波に乗るか、波に乗り遅れるかは、結果が大きく違ってしまいます。

賢く、したたかな、経営者の皆さん、ビッグウェーブですが、恐れず、正面から挑んで、乗り切ってください。


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