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2019年8月9日

「SDGsは企業も守るべきルール(法規範)、何でもありの自主評価はNG」

先月末、大阪府中小企業家同友会の環境経営部会で、SDGs連続講座第2弾!として、大阪大学教授の大久保規子氏を講師にお招きし、大久保先生の研究テーマである「参加原則」(SDGs目標16)を中心に「SDGsで世界が変わる」と題して、御講演いただきました。

その内容から、私なりの解釈も含めて、御紹介しますね。

 

SDGsは、SDの具体的行動計画

「持続可能な発展(Sustainable Development:SD)」は知っていますよね。

国連「環境と開発に関する世界委員会」(通称ブルントラント委員会)の報告書”Our Common Future”(邦題『地球の未来を守るために』)において、「将来世代のニーズを損なうことなく現在の世代のニーズを満たすこと」という「持続可能な開発」の概念が打ち出されました。これがその後の90年代を通じて、地球環境保全のための世界共通の指標概念として確立されていきました。

ただ、抽象的な「概念」なので、じゃあ私は何をすればよいの?の行動の具体化は、自分たちで考えようね!でした。

で、この間、国連でも、リオ宣言(1992)、ミレニアム開発目標(MDGs)(2001)、リオ+20(2012)、などの努力が重ねられ、ようやく2015年、持続可能な発展SDを実現するための具体的行動目標、として合意されたのが「SDGs」というわけです。

 

SDGsは世界中の国、企業、国民、がみんなで実行すべきもの

SDGsの合意の特徴は、先進国も含む全ての国が合意したことです。指導理念は「誰一人取り残さないleave no one behind」です。

大久保先生によると、合意形成の手法はマルチステークホルダー・アプローチ、つまり、小さな国やNGOも含め、様々な関係者の声をていねいに聞き続けた努力の成果だそうです。

 

SDGsは既存の国際基準がベースの法規範、自主評価はNG

大久保先生が強調されたポイントはこれです。

SDGsの17の目標と169のターゲットは知られていますが、その進捗を計るために、232の指標も設定されています。進捗指標の具体的内容は、各国の自主性が尊重されていますが、勝手に決めればよいわけではありません。

企業の基本的責任に関して言えば、すでに合意された以下のような全世界の企業に向けた共通原則は、最低限のベース規範として順守されることが前提です。

〇国際労働機関(ILO)多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言

〇国連グローバル・コンパクトの10原則

〇国連ビジネスと人権に関する指導原則

企業活動へのSDGsの当てはめを知りたい方には下記↓サイトのパンフレットがお勧めです。

SDG Compass (SDGsの企業行動方針~SDGsを企業はどう活用するか~)

https://sdgcompass.org/wp-content/uploads/2016/04/SDG_Compass_Japanese.pdf

これらは主に多国籍企業や大企業向けですが、中小企業としては、大手取引先から下請けイジメされたときに理論武装のツールとして活用する、なんて方法も考えられますよね。

 

 

日本は「参加」が遅れている(T_T)

ドイツのベルテルスマン財団が世界各国のSDGs度を評価した結果で、日本は教育(目標4)は高評価ながら、環境に関する目標12~15などが低い評価だったそうです。

環境民主主義指標(EDI)に則って、世界140人以上の法律家が2015年に70か国を評価した結果では、日本は70か国中32位、アジアでも4位に留まりました。

この原因を大久保先生は、日本が「オーフス条約(環境市民参加条約)」に未加盟のためと分析しています。

「オーフス条約」は日本ではほとんど知られていませんが、EU加盟国は全部が加盟しており、アジアでも加盟国が増えています。

オーフス条約について知りたい方は、ぜひ、大久保先生のグリーンアクセスプロジェクトのサイト↓をご覧くださいね。

http://greenaccess.law.osaka-u.ac.jp/about/abstract

 

SDGsバッチはちゃんと覚悟して着けなくちゃと思いました。

 


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