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2019年2月26日

BCP、肝心なのは「与信力」

今月21日、長崎市で開催された中小企業家同友会の中小企業問題全国研究集会に行ってきました。

参加した分科会のテーマは「震災の時代に立ち向かう中小企業の役割とは」で、高田自動車学校(岩手県陸前高田市)の田村会長、丸平木材(宮城県南三陸町)の小野寺社長、アース建設(福島県)の渡部社長、の御報告を受けて、BCPと被災時の自社の役割についてグループ討論しました。

御報告の素晴らしい内容は、中同協報告書に譲るとして、グループ討論の内容から私が考えたことを書きますね。

 

先ず、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)とは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画をいいます。

御存知ない方もおられましたが、「BCP」でググれば、中小企業庁や内閣府のサイトに策定指針を含め情報が満載されています。BCP策定には、国土強靱化法に基づく「レジリエンス認証」制度もあります。

 

身の丈に合ったBCPという観点では、「この地域は災害がほとんど無いから」という認識は、レベルゼロ(問題外?)というべきでしょう。大阪も長らく「災害が少なくて安全」と油断?してきましたが、昨年の地震と台風の後はそういう言い方を聞かなくなりました。

ご自身の地域の過去(平安時代以前から)の災害の歴史をひも解かれることをお勧めします。

 

次に、どんな被災状況を想定するか、です。

・先ず、被災可能性のある災害の種類ごとに

・最も弱い状況(仕事中や出張中)を前提に、

・自社経営資産の弱点(被災ダメージが致命的となるような)の洗い出し

をすることです。もっとも考えたくないことですが、必要です。

 

そして、対策の第一は、「命を守る」ことです。

ご自身、ご家族、従業員とその家族、来訪者、・・といった順に、これらの人々が最低3日間、すべてのライフラインが停止しても生き延びられるだけの、水(飲用、雑用)、そのまま食せる食物、トイレ(凝固剤など)、を確保することが最低必要です。

 

災害対応には、「自助」「共助」「公助」がありますが、東南海沖地震はじめ想定される大規模災害では、「公助」に期待することができません。

先ずは「自助」、そして出来れば「共助」に貢献したいところです。

 

「自助」と言っても、とりあえず3日から1週間の命をつなぎ止めた後に、事業を継続(復活、再生)するには、何よりも「資金」です。

分科会報告では、少なくとも3か月、できれば1年間、売上が無くても事業を継続できる資金が必要、とのことでした。内部留保がそれだけあれば言うことはありません。内部留保が無い場合、生き延びられるかどうかは「与信力」にかかってきます。

 

「与信力」とは、金融機関がお金を貸してくれるかどうか、です。

では、どうしたら銀行がお金を貸してくれるのか?

この疑問に、福島県から参加した方が「経営指針書ですよ」と答えられました。震災前から毎年、経営指針書(経営計画、経営方針、その実践状況報告)を作成して、取引金融機関との対話を重ねて築いてきた「良い関係」が、イザという被災時に力を発揮したのだそうです。もとは累積赤字と不良債権が満載の会社だったそうですが、経営指針を実践する経営努力で、少しづつ累積赤字と不良債権を消し込んでいき、その後は、自己資本比率を少しづつ上げてきたそうです。「銀行は自己資本比率を見ていますよ」とも教えてくださいました。

 

東南海沖地震は、明日にでも来るかもしれませんが、5年後かも、10年後かもしれません。

明日に大規模災害が来たら、これも運命かぁと諦めるしかありませんが、5年、いや10年あるなら、今からでも準備すれば十分に間に合います。

ペットボトルや乾パンの備蓄ならすぐに出来るので、してくださいね。

そして、最も大変な、与信力を含めた財務力強靭化の着手は、早ければ早いほど良い、ということです。

 

 

 

 


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