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2019年3月28日

バイオマス発電で地域起こし(内子町、内藤鋼業)

2019年3月8日、中小企業家同友会の地球環境委員会で、愛媛県内子町に在る、有限会社内藤鋼業の木質ペレット製造工場と、これを燃料にしたバイオマス発電所を見学しました。

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内藤鋼業はもともと木材加工機械を販売する商社でしたが、2000年頃から、ヨーロッパで普及しているペレットストーブに注目するようになりました。

国内で探してみると、高知県に木質ペレット製造会社がありましたが、販売先が拡がらず、困っていました。そこで内藤社長は、商社としての強みを生かし、ペレットストーブの販売を始めました。

他方、既存取引先の製材所では、かんな屑の処理に困っていました。そこで内藤社長は、ペレット製造事業を考えました。最初、内子町に話を持ち掛けてみましたが、結局自社で、2011年、2500t/年のペレット工場を建設し、操業を開始しました。

 

2006年、内子町もバイオマスタウン構想を策定し、翌年から、内子中学校に床暖房用としてペレットボイラーを導入したのを皮切りに、町内施設に次々と、ペレット燃料機器が導入されるようになりました。

こうして、ペレットの販売先が少しずつ拡大していきました。

 

しかし、燃料用ペレット需要には、いろいろと波や困難があります。

先ず、暖房需要は冬期に限られます。さらに、ボイラーの燃料には重油と併用されるので、原油価格やシェール革命など世界のエネルギー情勢に左右されてしまうのです。こうなると、地方の中小企業の努力だけでは、限界があります。

 

そこで内藤社長が次に考えたのが、バイオマス発電でした。発電燃料としてなら安定的需要が見込めます。

早速、森林組合とも相談し、地域として持続可能な木材供給量や経済性から換算して、約1MWの発電規模、燃料ペレット約6000t/年の発電プロジェクトを計画しました。これは一般家庭2500世帯分の電力消費を賄えます。売電は、2019年4月から開始の予定です。

プロジェクトの実現には約12億円が必要でしたが、伊予銀行から10億円の融資が得られ、内藤鋼業と地元企業も出資して新会社を設立しました。発電用機器は、ドイツ製の小型ガス化熱電併給装置を6基組合せ、これらの運転監視はドイツから行ってもらうそうです。

必要な原料材の量を確保するには、未利用材利用が欠かせません。しかし、その集荷が課題でした。これも森林組合と工夫して、今まで休業日だった雨天に、予め林道脇まで寄せ集めておいたものを集荷するようにしました。これで組合従業員も就業日数が増えて収入が増え、買取り価格も2013年頃までの3000円が今では7500円になったそうです。

 

内藤社長は、内子町の環境条件は特別ではなく、日本中どこでもこの事業モデルは実現可能、だからぜひ、地域の中小企業家はキイマンとなって日本の中山間地域と林業を活性化してほしい、と力説されました。

地域起こしの三役は、バカ(馬鹿)者、他所(ヨソ)者、若者、といいます。バカ者とは、周りからクレージーと言われるほど一所懸命に取り組むキイマンを指します。

確かに、地域でバカ者になれるとしたら、地元の中小企業家がうってつけですね。

 

中小企業といえば、再エネ視察でいつも少し残念なのは、発電機や関連機器が西欧製であることです。ドイツの中小企業に作れるんなら日本の中小企業にも作れないわけはない。違いは、技術力ではなく、政治と社会に在るはずです。

日本政府もFITの運用だけでなく、エネルギーシフトの視点で、再エネ関連産業を広く捉えて振興施策を練ってほしいです。

 

 


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