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2019年5月6日

最近読んだ本から、「いい家は無垢の木と漆喰で建てる」

「もう、とっくに読んだよ」という方も多いと思います。

ずぅっと読んでみたくて、ようやく読むことができました。

最近、環境問題としても、ZEH(ゼロエネルギーハウス)や省エネ住宅、高気密高断熱、が話題になり、私も4年前にはEUドイツ語圏に高気密高断熱建物(エコバウ)の視察旅行に行きました。こうして、断片的な寄せ集め知識はあるつもりの門外漢、という、建築の専門家の方々にはとっても面倒くさい状態になってしまった私の読後感は、ますます疑問が増えちゃった、というわけです。

専門家の方々、またお会いしたときにでも、悩める私に御教示ください。

 

一番の疑問は、集成材の評価、です。

この本は基本的に「無垢」礼賛です。ヒノキや青森ヒバに優れた防虫性があるとは知りませんでした。低温乾燥の良さも、南三陸町の丸平木材さんで見せていただいたことがありましたが、(低温殺菌牛乳みたいな良さかな)くらいの理解だったのがお恥ずかしい限りです。丸太の赤身と白太の違いも良く判りました。

ただ、ドイツ語圏エコバウでは、集成材がほとんどでした。無垢材が使える環境が違うのか、それは良く判りませんでした。日本でも、集成材支持派の理由は、強度計算の確実性(集成材なら確実)、です。この本では集成材と無垢材の強度実験をしていますが、結果は無垢材の圧勝です。

この本でも指摘する集成材の難点は、接着材です。エコバウ視察の際もこの質問がありましたが、エコバウ建築家は、接着剤はミルク由来の天然素材で100年以上の実績が有る、と回答していました。

 

次の疑問は、高気密高断熱と「いい家」(無垢材&漆喰)の関係です。

これは著者である神﨑建築士にお尋ねするべきかもしれません。

この本で、我が国の伝統的木造工法では、床下からの空気が屋根裏まで壁の中(間)を通るため、高温多湿の日本でも断熱材に湿気やカビが生じず、室内の高気密性とも両立可能、と書かれていました。

ドイツ語圏エコバウでは、木造プレハブ工法が普及しています(プレハブは本来の意味の、事前に工場で建物の部品を作って現場で組み立てる、もので、日本の、安くて簡単、とは違います)。視察した木造プレハブ工場では、壁になる外板と内板の間に紙くず?断熱材を密封していました。あれだと壁の中の通気性は無理だと思います。木造プレハブ工法は、木造建物を普及させるのに良い方法だと思うのですが、高温多湿の日本では無理なんでしょうか?

 

最後は、疑問というより感想ですが、自分も含めて一般消費者は、本当に、自分の国の素晴らしい伝統(伝統工法や伝統建材の良さや理由)に無知だなぁと反省しました。この本にも、大学教授や医師など高学歴の施主が、有名ハウスメーカーの石油合成建材だらけの高級住宅を買わされるエピソードがいくつか出てきました。

読み終わって、私もあらためて自宅マンションを見回してしまいました。

建築関係の事案を扱って思うのですが、木造となると大工さん、漆喰となると左官屋さん、となって、街でよく見かける、設計事務所、建築事務所、工務店、とは別の仕事?業界?カテゴリー?のようです(間違っていたらすみません)。そういえば、ミュンヘン工科大学には木造建築学科(フツーの建築学科ではなく)がありました。今の大学の建築学科では、日本の伝統工法や、木材や漆喰や土壁のことは、教えないのでしょうか?

無垢材と漆喰が、神舎や仏閣、城郭、ためだけの建材だなんて、もったいないですよね。日本の山には今あんなに杉やヒノキが育っているのに、庶民がそれを自宅に使えないなんて、どこか間違ってる気がします。

まだ先ですが、私が自宅マンションをリフォームする頃には、私も払えるお値段で、無垢材と漆喰でマンションリフォームができたら良いなと夢見ています。

 

 

 


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