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2020年1月21日

36協定の「労働者過半数代表」

 

今年4月から、中小企業にも時間外労働の上限規制が始まります。

残業時間の上限は、原則として月45時間、年360時間となります。

 

御存知のように、労働基準法32条は、1日8時間、週40時間、を超えて労働者に労働させてはならない、と規定しています。

これを「法定労働時間」といいます。

 

労働基準法はこのように労働条件を規定する意味について、第1条「原則」として、

「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」

「この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから・・」

と言っています。

つまり、1日8時間を超えて労働させること、週40時間を超えて労働させること、は原則として「違法」なのです。

1日24時間のうち、8時間は睡眠、8時間は労働者自身のため、残り8時間の範囲でなければ「人たるに値する生活を営むための」「最低の基準」を充たせない、というわけなのです。

 

これの例外が、労基法36条の労使協定、いわゆる36(サブロク)協定です。1日8時間を超えての残業、週40時間を超えての休日・時間外労働をさせるには、36協定が無ければ「違法」です。

問題は、この「例外」に時間数制限が無く、事実上の青天井だったことです。

これが80年代後半からの悲惨な過労死事件多発を引き起こし、今回の働き方改革、時間外労働の上限規制に繋がってきたわけです。

 

ただ、非人間的な長時間労働も「36協定」が在ったはずである以上、労働者側の「合意」は在ったわけです。

 

労基法36条は、労働者側の「合意者」として、

「当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、(そのような組合がない場合には)労働者の過半数を代表する者」

と規定しています。

 

中小企業の場合、過半数組織労働組合が無いところが多いと思います。その場合、「労働者の過半数を代表する者」はどのように決めればよいのでしょうか?

 

経営者にしてみれば、ついつい、従業員取締役や幹部社員、人事統括者に労働者側の署名捺印を頼みたくなるかもしれません。

それ、NGです。

 

親睦団体代表を自動的に代表者とした36協定を無効とした東京高裁(トーコロ事件)判決を契機として、1998年に労働基準法施行規則が改正され、さらに今回法改正で要件が加重されました。

労基法施行規則第6条の2第1項が定める選出方法の要件は、

1)管理監督者(労基法第41条2号)でないこと

2)選出目的を明らかにした投票、挙手等の方法により選出された者であつて、使用者の意向に基づき選出されたものでないこと

です。

労使(36)協定にもかかわらず、非人間的な長時間残業、悲惨な過労死が頻発したことを思えば、「労働者側代表」の選出こそ、厳格な運用が求められます。

 

独立行政法人「労働政策研究・研修機構」(JILPIT)は、「過半数代表」について、2017年に調査しています↓

https://www.jil.go.jp/institute/research/2018/186.html

 

「働き方改革」のうちでも、残業規制については重~く受け止めてしまっている中小企業経営者も多いと思います。

しかし、若くて優秀な人材を確保するには、「働き方改革」の先を行く、魅力的な労働条件の整備が必要条件といわざるをえません。

覚悟を決めて、ガプリ四つに取り組んで、寄り切ってくださいね。

 

厚労省の支援特設サイト↓

https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/overtime.html

 

 

 


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