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2020年5月12日

「裁判って不要不急なんですか?」 裁判所は職責を果たそう!

 

現在、緊急事態宣言のもとで、全国の裁判所(地裁、高裁、家裁)が『休眠状態』って、知ってました?

このタイトルは、岡山弁護士会の大山弁護士が書かれた「山陽新聞(デジタル)」のコラム記事にある、依頼者や相談者の言葉です。

「山陽新聞(デジタル)」大山弁護士のコラム記事↓

https://www.sanyonews.jp/sp/article/1008029?rct=column

 

私の場合、緊急事態宣言が決まって早々、裁判長が直接、電話してきて、翌日に予定されていた期日の取消しを、一方的に宣告されました。根拠は、最高裁の平成28年6月1日付け「新型インフルエンザ等対応業務継続計画」だそうです。

同期日はもともと、相手方代理人が遠方のため、大阪地裁で試験的導入が始まっていた「Microsoft Teams」を使用することが決まっていました。

 

大山弁護士の記事や弁護士MLでの事例では、民事の判決言い渡し(法廷で、通常は当事者や代理人弁護士がいないまま、主文だけ読み上げられる)や、成立が決まっていて調書化するだけの和解期日、など、感染予防の観点からすれば問題ないような期日まで、一律に取り消されたそうです。

 

最高裁の「新型インフルエンザ等対応業務継続計画」は、これ↓です。

https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/file2/280601.pdf

最後の表(別紙2)「業務の分類」で、継続すべき業務かどうかを抽象的一般的に分類しています。今回は、緊急事態宣言対象地域の裁判所で、これを一律形式的に当てはめて、「全国一斉休業」しているようです。

 

しかし、上記BCPには、

「これは一つの目安にとどまり,新型インフルエンザ等の流行規模や被害規模は,病原性や感染力等に左右されるものである上,各裁判所の体制等の実情や地域の事情も異なることから,業務継続計画の運用については,各裁判所の実情等を踏まえて柔軟に行うことが必要である。」

と書かれているのに、緊急事態宣言というだけで形式的に全国一律の対応となっています。

また、

「 第6 業務継続計画の維持・管理等

1 関係機関との調整

業務継続計画の実行に際しては関係機関との連携が不可欠であるから,関係機関との調整を十分に行う。」

とも書かれているのに、個別事件の当事者代理人弁護士はともかく、弁護士会との「調整」が為されたなど、一切、聞いていません。

 

つまり、緊急事態宣言を理由にして、裁判所は事実上「全国一斉休業」を続けているのです。

今まで、司法関係者の端くれとして、日本の裁判所は、汚職も無く、公正公平な機関であると信頼していました。日本の裁判官の多くは、優秀で誠実、真面目で勤勉、と信頼していました。

しかし、今回のこの対応には、本当に、心底がっかり、です。

司法は社会の病院であり、法曹(裁判官、弁護士、検察官)は社会の医師である、と自負してきたはずではなかったでしょうか?

私は、法曹はエッセンシャルワーカーだと思っていました。

感染が怖いからと、自宅や宿舎や裁判所に引き籠り、国民の税金から給料や報酬はもらい続けているのに、およそあらゆる裁判を停止させたまま、再開の見通しも示さず(行政が緊急事態宣言を解除するのをただ待っているだけ?)、再開後の感染防止策もどうするのか、何も聞こえてこない・・、恥ずかしくないんでしょうか?

マスコミでもあまり報道されず、問題視されていないようなので、国民の多くはまだこの問題を知らないと思います。

国民の多くが知るようになって、その意味を理解するようになって、裁判所ひいては日本の司法にがっかり、なんて言われないよう、願うばかりです。

 

 

 

 


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