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2020年7月27日

『ファクトフルネス』(日経BP社 ハンス・ロスリング他著)を読んで、SDGsとアフターコロナを考える

 

副題は「10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」。著者は、公衆衛生を学び、主にアフリカの貧困地域で、貧困と健康、農業、経済発展のつながりを研究、実践してきたスウェーデン人医師です。

 

この本の始まりは、13問のクイズです。いくつか紹介してみますね。

質問1 現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するでしょう?

A 20%  B 40%  C 60%

質問2 世界で最も多くの人が住んでいるのはどこでしょう?

A 低所得国  B 中所得国  C 高所得国

質問3 世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったでしょう?

A約2倍になった  Bあまり変わっていない C半分になった

質問4 世界の平均寿命は現在およそ何歳でしょう?

A 50歳  B 60歳  C 70歳

質問9 世界中の1歳児の中で、なんらかの病気に対して予防接種を受けている子供はどのくらいいるでしょう?

A 20%  B 50%  C 80%

質問12 いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいるでしょう?

A 20%  B 50%  C 80%

(以上の答え)

質問1 C 質問2 B 質問3 C 質問4 C 質問9 C

質問12 C

 

いかがでしょうか?

「へえ~、世界ってそんなに良くなってるの?」と驚かれたのではないでしょうか?

著者がこの本を書こうと思った動機も、先進国のエリートや専門家のあまりの出来の悪さ、からです。その正解率は10%台か20%台。著者曰く、チンパンジーでも正解率33%(三択なので確率1/3)なのにチンパンジー以下! かく言う私も、チンパンジー以下の一人です。

 

この本は、著者が長年の実践と努力の経験から得た、チンパンジー以下の原因、を警告しています。その原因とは、私たちが意識無意識に持っている10の本能です。私の理解を交えて紹介すると、

分断本能 :「私たち」と「あの人たち」

ネガティブ本能 :悪い方に考えがち

直線本能 :数点のデータから直線グラフを想定しがち

恐怖本能 :見えない恐怖に怯える

過大視本能 :数字を示されると誇張して鵜呑みにしてしまう

パターン化本能 :(読んで字のごとく、思い当たりますよね)

宿命本能 :運命と諦める?

単純化本能 :考えるのは楽になりますけど‥

犯人捜し本能 :気持ちはわかりますが、解決にはなりません。

焦り本能 :いつやるの?今でしょ!、も、曲者?

 

コロナ禍に加え、水害まで来ると、追い詰められた人間の心にはこれら10の本能が、フツフツ、モクモクと湧いてきます。最近はSNSという便利な道具もありますから、これら本能が互いに共鳴し合って増幅される危険もあります。

 

著者はこの本の最後で、ファクトフルネス(私の理解では、事実や数字にもとづいて冷静かつ合理的に判断する態度)を実践できる「大まかなルール」を提示してくれています。

こういう時代だからこそ、溢れる様々な情報を、取捨選択し、冷静に判断する態度が求められていると思います。

 

それに加えて、この本を読んで、私が学校を卒業して以降の世の中の進歩がものすごく目覚ましいことも思い知りました。

結局、私たちの世代が学校で教えられた「南北問題」など国際社会を理解する基本的常識は、すでに古臭く、カビの生えた知識だということです。でも、高校の社会の授業のように、基本的な世の中の見方を網羅的に教えてもらえる機会は、社会人になってからはありませんよね。

 

この本は、現在の国際社会の見方の基本を教えてもらえる良い本だと思います。

この本を読んで、SDGsも私の中で現実味をおびてきました。


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