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2020年7月28日

『サピエンス全史』(河出書房新社 ユヴァル・ノア・ハラリ著)を読んで、SDGsとアフターコロナを考える

 

実はまだ、この本は上巻しか読めていません。

分厚そう(電子書籍だと厚さが判らない)なので勇気が要りましたが、読んでみたら、とにかく面白いです。私には、コワ(恐)オモシロ(面白)くてたまりません。

 

高校の世界史の教科書の始まりは「四大文明」でしたよね。なぜ、この4つの地域で突然、「文明」が始まったのか、地球上の他の部分(地域)はどういう状態だったのか、謎は深まるばかり・・だったことを覚えています。

「四大文明」以前に関しては、地球上の生物の進化が樹形図で書かれていたくらい(何の教科書だったか・・?)だったと思います。他の生物はたくさん枝分かれしたり消えたりしているのに、人間だけは、猿人類から猿人、さらに人類へと、一人だけ一直線に進化したように書かれていました。人間は特別!でも淋しいような・・ヘンだなと感じました。

その後、最近までの間に人類学は目覚ましい発展をしたらしく、いろんな機会にその断片を知ることはあっても、網羅的にまとめて勉強できる機会も本もありませんでした。

この本は、そんな私のここ数十年間のモヤモヤに、まとめて答えてくれるスゴい本です。

 

現在、地球上の隅々まで棲息(生活)圏を拡げている「人間」は皆、「ホモ・サピエンス」というヒト科ヒト属の同じ「種」なのだそうです。肌や髪や色、体格もこんなに違っているのに、遺伝子的な違いはほぼありません。その人口は今や、70億にもなります。

「ホモ・サピエンス」は、約7万年前に東アフリカから全世界に広がり始めました。人類全体では約200万年の歴史がありますから、新参者です。ただ、ホモ・サピエンスは行く先々で、先に世界に広がっていた他の人類(ネアンデルタール人など)を駆逐し、その大陸の固有種はじめ生物を大量絶滅に追い込みました。鋭い牙も爪も持たないホモ・サピエンスがこれほどの「成功」を勝ち得た理由は何だったのでしょうか?

それこそ、約7年前にホモ・サピエンスに起こった「認知革命」です。何故この時機にホモ・サピエンスにだけ「認知革命」が起こったのか、その理由は判っていません。

 

「認知革命」とは、それまでの動物(人類含め)は、見たり聞いたりできる目の前の事実についてしか認識や思考ができなかったところ、これらを組み合わせたり発展させたりして、現実には存在しない(見たり聞いたりできない)事実(虚構)を創造し、それらを認識したり思考したりすることができるようになった、脳の機能の革命です。

この、虚構を創造し、共有する能力、これこそがホモ・サピエンスの本質的特性なのだそうです。そして、この本の神髄もここに在ります。

虚構とは、例えば、会社などの法人組織、宗教の「神」、法律や秩序、など、私たちがフツウに「在る」と思っているものの、実は、よく考えれば、目で見たり手で掴んだりすることはできない、脳の空想による実体です。

言葉を複雑に発達させ、虚構(イメージ、想像、思い、)を共有することによって、ホモサピエンスは、血縁関係もない大勢が組織的に協働することを可能にしたわけです。この組織力こそ、個体では牙も爪も無いホモ・サピエンスが、何十頭もの巨大マンモスの群れを崖っぷちに追い詰めて、大量の肉や毛皮や牙を獲得できた原動力でした。

 

今でも、イメージトレーニングやポジティブ思考、なんて言われますよね。若い頃は、願えば叶う、なんて嘘だろ、って思ってましたが、年を重ねるにつれてむしろ、人間の意志の力は侮れない、と思うようになりました。

 

コミュニケーション、コラボレーション(協調性)、批判的思考(クリティカルシンキング)、が、21世紀を生き抜くために必要とされる基本的スキルなのだそうです。

これらも、ホモ・サピエンスの進化と成功の過程にてらせば納得できます。

世界中がコロナ禍で、3密によるコミュニケーションやコラボレーションが出来なくなっていますが、ホモ・サピエンスは3密に代わるコミュニケーションやコラボレーションを必ず発明していくのでしょうね。

 

未だ最後まで読んでないのですが、この本によれば、世界は統一に向かっているのだそうです。貨幣、帝国、宗教、が統一の推進力だったそうです(詳しくはこの本で)。

グローバル経済、米中貿易摩擦、イスラム圏とキリスト圏の対立、など、さしづめ、現代社会は「世界統一」の総仕上げ時代、ということなのでしょうか?

私の希望を言えば、米中のどちらか、あるいはイスラム圏とキリスト圏のどちらかが「勝利」して、どちらかが世界全体を「支配」するなんてのは、止めてほしいです。

世界共通の価値観といえば、今、私たちには「SDGs」があります。

SDGsの内容は、現代社会でこそ「常識」ですが、古代や中世の社会では、非常識極まりない内容でした。

SDGsのような「価値観」で全世界が一致できたことは、ホモ・サピエンスの未来にも明るい可能性があるということだと思います。

 

 

 

 

 

 

 


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